2020年7月7日火曜日

疲れ目のセルフケア

モントリオールの日系紙、Bulletinの2020年7,8月号に掲載された原稿です。

モンロワヤル通りが歩行者天国になって、久しぶりにバーのバルコニー席で一杯やって来ました。あぁ、ケベックは森の中の静けさも素敵なのですが、こうした人の賑わいというのも人間には必要なんだよねと妻とほっと一息。今年のバルコニー席はどの店もスペースが大きめで、テーブルの間隔も大きく、メニューはテーブルのバーコードを自分の携帯で読み取るようになっていたりして、なるほど、接触を減らすために知恵を絞ってるなと思いました。

通りの先に見えるロワヤル山。なんだか久しぶりにこんな遠くを見た気がします。日々のニュースを追いかけ、外出出来ない分映画やYoutubeを眺め、この3ヶ月、どれほど我々の視界と意識はこの近距離の小さな画面の中に囚われていたことでしょう。これからの気持ち良い季節に、目の使いすぎで疲れた頭と首肩回りを開放して、思い切り夏を楽しみたいものです。

まず、目の疲れは直ぐに後頭部の緊張に繋がります。ですので、まず後頭部を緩めましょう。まず眉毛を大きく上下に動かしてみて下さい。後頭部や頭皮に緊張のない人は眉毛の動きで後頭部の頭皮まで動きます。しかし皆少なからずつっかかりを感じるものです。確認後、後頭部を手の爪でバリバリとよく引っ掻いて、その後に後頭部の頭皮に掌を当てて、色々な方向にしっかり動かします。頭皮の動きの悪いところほどよく引っ掻いて、その後頭皮をしっかり動かしてあげて下さい。もう一度眉毛を大きく動かしてみると、後頭部と頭皮全体が緩んだかどうかが分かります。
次に目を左右に限界まで動かしてみましょう。例えば右を思い切り見ると左耳がピクッと動きませんか?どうも目の動きと耳は繋がっていて、側頭部の緊張にも繋がっている様なのです。側頭部が緊張すると、耳は縮んで全体的に固くなります。これを緩めるにはゆっくり引っ張れば良いのですが、強い力でぎゅうぎゅう引っ張ると逆に反射で固くなってしまうのが注意点です。ゆっくりとした動作で、腕の力も抜きながらひっぱりましょう。耳の上の方は斜め上の方に、真ん中あたりは横の方に、下の方は斜め下の方に。少しねじりながら引っ張ると効果的です。もう一つ、耳の前にある三角の突起、これを耳珠(じじゅ)と言いますが、これも指で摘んでゆっくりひねります。これらの結果、耳輪と呼ばれる耳の外周全部がプルプルに柔らかくなって、耳全体がじわっと暖かくなればOKです。これで側頭部もある程度緩んだことになります。
眼窩と呼ばれる頭蓋骨の目のくぼみ、その内側から目の縁、そして外側までどうやら筋膜は続いている様で、目を使う疲れは目の周囲に現れている様子です。まず、目を八の字に動かしてみて、動きにくい動作部分を確認してみましょう。その後、眼窩の骨際に沿ってその周囲をゆっくり押していきます。目玉を押してしまわない様に、骨のエッジを探しながらゆっくりと。目の真下にある頬骨の出っ張りのあたりもゆっくり押します。一通り出来たら、また目を八の字に動かして、目の動きが楽になったか確認してみて下さい。

目への負担を減らすには、PCや携帯画面の明るさを時間によって調整するのも効果的です。太陽の光は午前中から昼には白色光が強くなり、夕方には赤い光の成分が増して行きます。これが我々の自律神経のサイクルに関係している様なのですが、夜になっても青や白の強い光を含む画面を見つめていると、目も疲れるしなかなか神経が休まりません。PCや携帯画面の明るさは夕方以降は弱めに設定しましょう。画面の明るさは部屋の環境光と同じ程度が目に負担が少ないとされています。最近のノートPCは画面の明るさを自動調節してくれるものが多いですが、もしそうした機能がない場合、フリーウェアを使って調整するのも手です。https://justgetflux.com/ 私はエクセルやワードなどの長時間作業のときはセルや紙面の背景色を白から灰色に変えて作業します。これも画面の明るさを減らす工夫です。文字の大きさを大きめにしたり、表示を拡大するのも目の負担を減らすのに良いでしょう。

いよいよケベック州も各種制限が解除されて、また色々な行動が出来るようになりました。凝り固まった身体をケアすることで心も一息ついて、ケベックの素晴らしい夏を楽しみましょう!

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