2017年1月31日火曜日

たれてない。私のほっぺは絶対、たれてない。



なんとも悲しそうな表情から始まりました...
ほんとはこの彼女は元気で健康的な感じなのですが、


今回は訳あって少し顔に歪みが。
左の頬が歪んで、ほうれい線がきつめになり、左の口角が下がっています。
(なかなかリアルなたるみの様子が再現出来ていないのは
私のCG技術が未熟ということでご容赦を!)

こういうのを”垂れて来た”と呼ぶせいで、
お肌のハリが、とか、表情筋を鍛えて、とか、
マイナスをプラスにしようという商品が溢れている様に思います。


でも、私が感じているのは、この図の様に頬から胸まで、
広く繋がる皮下の緊張によって引っ張り下げられている様子なんです。


中でも図の緑色の線の様に、
2本、強く引き下げているラインがあるのを感じます。
特にほほ内部は骨の上を走る深い緊張で、
表皮もつられるためほうれい線は深くなり、口角も引き下げられています。
どちらのラインも顎下や首の部分ではテント状の隠れた隆起を作るので、
その周りはむくみが覆うことに。つまり、この緊張を取らないと、
皮膚だけケアをしても、むくみ、たるみの本来原因がなくならない、
ということなんです。

深い緊張を取る、という方向ですから、やるべきことは表情筋の筋トレでもなく、
張りを取り戻すための表皮だけのケアでもないのでは、と思います。


もう少し緊張のラインの詳細を続けます。
1本目はいわゆるほほ骨の出っ張りの下から、ほうれい線の脇を降りていき、


首の比較的前側を斜めに降りていって、


鎖骨の中程から乳首、もしくはもう少し外側に斜めに降りていきます。


もう一本は、ほほ骨のもっと横顔側から、
下顎の角部と言われる出っ張りの少し前を降り、


首の側面を降りて、肩の稜線の少し前を烏口突起に向けて降りて行っています。


これは何なのか?
そこで思い出して頂きたいのが前回の記事なんですが、
はい、無意識に身構えるくせによる、"胸の硬さ"と繋がってます。
胸を窄ませる様な姿勢による、胸元と脇の緊張が
それぞれ首を上がって引っ張っていると見るわけです。

じゃぁどうしたらいいのか?
もちろん胸の緊張をまず取りましょう。
鎖骨や肋骨、烏口突起周りのへばりつきを取ります。
鎖骨、肋骨の下縁を赤い線の様に骨沿いに爪で刺激して、
その下の肋間を青矢印の様に外側に向かってずらします。
皮膚直接ではなく、必ず薄手の衣服の上からにして下さい。

青矢印の方向に指で揉むのも悪くありませんが、
相当痛みがあると思います。
骨側を爪で刺激するのは、それで少し筋膜の緊張が緩んで、
へばりつきが取りやすくなるからなんです。

烏口突起の際は赤い線の様に斜めに爪で斬り下ろす様に刺激して、
青矢印の様に胸の内側に骨から引き離す様にずらします。


皮膚を撫でて緩める施述法では、
鎖骨を人差し指と中指で挟んで、青矢印の様に外から内に撫でます。
胸元から脇にかけては青い両矢印の様に行ったり来たり手の平で撫でるのが気持ちいいです。
皮膚の緊張が取れると、次第に鎖骨や肋骨へのへばりつきも取れていきます。


顔の話なのに顔に全く触らないの、おかしいですか?
でも、何かが劣化してきたから、何かを加える、というアイデアではなくて、
少し見方を変えて、素の自分に戻そう、という話なんです。

たれてないんです。ケアすれば改善します。
自信を持って、素敵な笑顔で今日を過ごして下さい!


身体のここを教えて欲しい!もっとこういう図にして欲しい!
などなど、皆さんの興味に従って色々な図を作っていきたいと思います。
沢山のご意見をお待ちしています。

2017年1月23日月曜日

肩甲骨内側の痛みをどうするか

施述家の方から、
”肩甲骨の内側が指が入らないほど硬い人はどうしたらいいでしょう?”
という相談を頂きました。

いわゆる、肩甲骨剥がしってやつで、
肩甲骨と背骨の間、肩甲骨の内縁に指を引っ掛けて、
外側に押し広げていく指圧系の技術ですね。

この様子を伺って頭に思い浮かぶクライアントの様子をまず画にしてみました。
左肩という想定で描いてみています。


肩がすくんでいて、肩甲骨がかなり高い位置になり、背骨との間隔が短くなっています。
また、肩が内転して胸が窪み、左手をつい握りしめている様子です。
描いているうちに、まるで肩甲骨の内縁上端の曲垣(きょくえん)というツボのあたりや、
首の付け根周りがズーンと嫌な痛みが出て来るかの様です。

このケースで私が感じる緊張のつながりは4つです。
1.脇を締める癖で二の腕の後ろから肩甲棘下を引きつらせているもの
2.肩をすくめるていることで二の腕側面から首の付け根を引きつらせているもの
3.肩甲骨と胸の間で、脇経由で引っ張りっこしているもの
4.胸の緊張が腕の内側を降りて腕全体を引きつらせているもの

順番にほぐしていきたいと思います。
まず、肩甲骨内縁の痛みや緊張、と聞いて想像するのは
肩甲骨上の内縁のヘリに相当なへばりつきがあるということです。

痛みのある赤い部分が原因なのではなく、
肩甲骨上のオレンジのところが相当に引きつっていて、
その結果赤いところまで強烈に引っ張っている様子です。
それは1.の脇の緊張から来ているな、と見るわけです。


1.の二の腕と肩甲棘下の緊張の繋がりは、
前回の記事、首の付け根の痛みはどことつながっているのか?でお示しした、
手の小指に繋がるラインです。

前回記事の様に手首から緩めるのももちろん効果的ですが、
肩甲骨周りに問題がある時は、二の腕の裏側の骨際を赤い線沿いに爪で刺激して、
直角に引き剥がしてやると肩甲骨棘下が緩みます。

2.次に肩のすくみによる、肩の稜線から肩峰の緊張のラインは、
そのまま二の腕の外側上顆まで降りて来ます。
そして、骨へのへばりつきのあるのは上腕の中程、
ちょうど三角筋の盛り上がりが終わったあたりにあります。
ですので、赤い線沿いに爪で刺激して、
やはり直角に引き剥がしてやると、首の付け根が緩みます。


ついでですが、
首の付け根で、このラインの少し前側にある痛みは上腕のラインの少し前側、
少し後ろ側は少し後ろ側をほぐせば痛みは取れる関係にあります。
首の側面付け根の痛みの際は、二の腕のこうしたところを当たってみてください。


3.さて、次はいよいよ肩甲骨と胸の関係です。
私は肩甲骨周りの緊張がある時は図の様に胸の側にも緊張を感じます。
図は骨の裏側に走る線が描けなかったのですが、
肩甲骨上の線は肩甲骨の裏側、肋骨との間を走り、脇を通って胸元まで続いていると思って下さい。
ですので、肩甲骨内縁を緩めたい時、胸側の緊張を取らないと、
肩甲骨周りだけもみほぐそうとしてもなかなか難しいんです。




4.さてしかしここで胸を緩めようとしても緩み切らない現象が起こります。
それは、肩の内転によって、胸元の緊張が上腕骨前面、橈骨内側、
そして親指に至るラインでひきつってしまっているからです。
脇の下を回って来た肩甲骨からの緊張と、腕の内側の緊張が胸元で合流しちゃってるんですね...


そろそろフィギアも辛そうですので、親指のラインから緩めてあげましょう。
親指手のひら側の骨側を引き剥がします、金星丘をもみほぐすのもいいでしょう。


次に橈骨の肘近くと二の腕の骨側をほぐします。
これで腕の内側のひきつりが減るので、内側の伸び代が増えて、胸が緩むというわけです。


さてようやく胸の緩めです。
胸のすべての中心は胸骨上の膻中(だんちゅう)にあります。
胸がすぼまった人はここを押されると痛いはずです。
赤線の様に爪で刺激すると少し緩みますので、しっかり左右にずらしてへばりつきをとります。
皮膚を撫でるやり方では下から上に撫で上げます。
胸骨のもっと上の部分では、肋骨との継ぎ目の溝にへばりつきがあります。
少しほじくる様に中心から外側にずらします。
各肋骨にもへばりつきがありますので、
それは肋間を中心から外側にずらすことでゆるめましょう。


これで胸が開く様になり、胸の緊張が取れた結果、肩甲骨周りも自由に動き始めます。
仰向けなら、肩がきちんと床につく様になるのが一つの目安となるでしょう。

最後に一つお伝えしたいのは、
ここまでの状況になるには、お仕事中の姿勢や運動不足もさることながら、
その方に”左肩で心の緊張を受け止める癖”があるということです。
人の話を聞くときですら、無意識に左脇を締め、肩をすぼめて、
身体を緊張させることで心理的なバランスを保っているわけです。
まぁ、そんな癖に気づいておいて、時々肩回したりしましょうね、
とアドバイスしてあげて欲しいのです。

さてさて、盛り込み過ぎてしまいましたかね?
長くなってしましましたが、こんな説明はいかがでしたでしょうか?
そういえば今回は皮膚でのアプローチを書く余裕がありませんでした...

身体のここを教えて欲しい!もっとこういう図にして欲しい!
などなど、皆さんの興味に従って色々な図を作っていきたいと思います。
沢山のご意見をお待ちしています。

2017年1月13日金曜日

首の付け根の痛みはどことつながっているのか?

後頭部の付け根が痛い、なんてことありますよね。
結構シクシクと嫌な痛みで、揉んでも気休めにしかならない。
図の赤いマークで示したあたりです。


じゃぁその痛みはどんなところから来てるのか?
というと、図の緑の線の様なラインで引っ張られているのを私は感じています。
手の小指外側、前腕の尺骨の少し斜め後ろ、上腕骨のななめ裏側の骨側から、
肩甲骨の棘下から内側縁に出て、赤いマークのところに至ります。


上腕、二の腕の裏側を走る緊張のライン

前腕は尺骨の小指側

よく見て頂きたいのは、完全な小指側の端ではなくて、
手のひら側に少し寄った、"斜め手のひら側"の骨際のラインということです。


手も同じく、小指の骨際の、斜め手のひら側のラインです。
そして、指先では手の甲側の爪の付け根に回り込みます。


緑のライン上で、テンションの原因となる特徴的なところはいくつかあるのですが、
わかりやすいところは手首です。
私は赤い線を引いた骨側に固くなったところを感じます。
ここを爪で刺激すると骨側が少し緩みますので、
それを青い矢印の様に骨と直角にずらすと、より骨際が動く様になって、
そのゆとりが緑の線に沿って頭の付け根まで緩めてくれます。
手首を反対の手で掴んで、ぐりぐり絞るのでも同じ効果です。
要するに、首肩が凝っている人は、腕や手が固くなっているんです。


皮膚から緩める施述法では、緑の線に沿って
骨に沿って撫でることで緩めることができます。


皮膚にも場所毎に方向性があり、この部位では手首から肘に向けて撫でると効果的です。


さて、こんな説明はいかがでしたでしょうか?
身体のここを教えて欲しい!もっとこういう図にして欲しい!
などなど、皆さんの興味に従って色々な図を作っていきたいと思います。
沢山のご意見をお待ちしています。

p.s.身体に関わるプロの皆さんへ
このラインはアナトミー・トレインのディープ・バックアーム・ライン(DBAL)に
近いものと思っています。しかし肩甲骨のところから首に繋がる部分は
スーパーフィシャル・バックアーム・ライン(SBAL)的なところもあり、
かつ、例の筋膜図の繋がりの中でも、小指から首までつながる
たった1本の細いライン、が非常にコアであることを感じています。
DBALの繋がりで手、腕の緊張から、肩甲骨の棘下が緊張し、
それが内側縁の緊張に繋がり、首を引っ張っている様子を感じます。
こうした緊張の繋がりは、深層筋だ、筋膜だ、骨膜だと色々な説明がされていますが、
こうした張力ネットワークに実際どの組織がどう貢献しているかは
医学分野でも工学分野でも明確にはなっていない様ですので明言は避け、
あくまで私自身の体性感覚としてこうしたものを感じているとするにとどめました。
少しずつでも研究して行きたいと思っています。
様々な視点からの貴重なご意見をお待ちしております。

丁度手を挙げたポーズでした。
今後この彼女に沢山活躍してもらいます。
次の回までbye!

2017年1月5日木曜日

冬の楽しみ方その2-大人が本気のそり遊び


朝起きたら、義弟の別荘前の庭に除雪車の仕事跡、雪の小山が出来てたってね。


するってぇと、大の大人たちが嬉々として蠢き始めたときたもんだ。


みるみるうちに小山が倍の高さになって、


やたらと長いそりコースが出来ちまったときたもんだ。


こども以上に楽しまないとモントリオールっ子じゃねぇってね。
真剣にやれよ!仕事じゃねぇんだぞ!ってなもんだ。
裏の凍った池まで滑り降りれたんだぜすげえだろう!