2018年2月22日木曜日

Ohashiatsuのblogで私と私の本が紹介されました



Ohashiatsuのblogで私と私の書いた本が紹介されました。

大橋先生は、日本人として唯一、
全米マッサージ協会の認定を受けた教育機関を運営されている方です。
そして、今では日本に逆輸入されている増永静人氏の禅指圧をかつて世界に広め、
更に腕の力を使わない技法を独自に開発して広め続けていらっしゃいます。
米国政財界やバレエ界の名だたる有名人は皆彼のクライアントです。

もう2年も経つことに驚きですが、ずうずうしくも"話を聞かせて下さい!"
とご自宅に伺ったのでした。大橋先生は午後いっぱいゆっくりと時間を下さり、
様々なアドバイスを下さいました。それはただの知識や経験というより、
人生を生きていく知恵に練り上げられたものばかりで、
私にとっては相当衝撃的な、忘れがたい経験でした。
その後私は、少しでも理解したことを形にしたいと思い、本を書き始めました。

私を紹介して下さったblogの記事の中の一節です。
"自らの名前で勝負することは、自らが提唱し、教え、信じる事に全責任を追う事なのだ"
そのアドバイスに従い、自らがまとめたものをTomita Methodと名付けたのでした。

blogで取り上げて頂いたことで、お会いして以来の数年を思い出して感無量になります。
自分の名前で、責任を持って勝負する。改めて身が引き締まる思いです。
そして、先生の様に豊かな知恵を蓄え、少しでも人を導ける存在になりたいと改めて思います。

今では私の教育プログラムも、全米マッサージ協会認定の講習となりました。
3月のNYでの講習を皮切りに、日本での講習も始まります。
沢山の方にお会い出来るのを楽しみにしています。

2018年2月21日水曜日

ぎっくり腰の緊張の繋がり

身体の緊張について書くのは、なんと昨年6月以来!
超さぼりすぎです…
頭がキャパオーバーだった原因のフランス語習得は
おかげさまでDELF B2相当、というマギル大の修了証を頂きました。
英語、フランス語での情報発信も徐々に始めました。
さてまた身体についても深めていかないと。

最近ぎっくり腰の方が何人か来られて、
ネット上でもそんな話題がちらほら見られたので、
例によって私が感じている緊張の繋がりを書いてみたいと思います。

ぎっくり腰の原因は腰方形筋の過緊張が…という説明を見かけるのですが、
私はこの図の緑の線の様な緊張の繋がりを感じています。


アナトミートレインではSuperficial Back Line、
経筋では足太陽経筋と足少陰経筋のあいのこの様に感じています。
第12,13肋骨近辺の痛みからは腰方形筋の様に思えますが、
そこまで深くないんじゃないか?という感覚と、
息を吸うと痛いという訴えからは、
もう少し肋骨の上まで関係していて、
腰腸肋筋まわりの筋膜の緊張なのではないかと思っています。

太もも内側には坐骨からつながる半腱様筋の固さが、
ふくらはぎ内側には足底筋もしくは腓腹筋内側頭の芯の固さが
それぞれ感じられます。

さらに降りて行くと、一端はかかとの内側にかなり強い骨側の固さがあり、
これはK15水泉やK16照海よりももっと低い、踵骨上の、
足の破裂靭帯(flexor retinaculum)が踵骨に止まってるあたり、
もしくは足底方形筋の起始部、という説明が妥当かと。
踵骨内側のくぼみが踵骨隆起に向かってせり上がって行くあたりです。
下腿三頭筋の停止部は踵骨隆起部となっているのですが、
どうもこの縁(へり)も筋膜がへばりついて張力に耐える、
一つの力学的な足がかりになっている様に思います。


踵骨内側の骨際の緊張はそのまま足底方形筋の緊張と続き、
例えば人差し指が硬くなっている、という様子に繋がっています。

まとめると、
腰腸肋筋を引っ張っているのが、それにつながる仙結節靭帯、半腱様筋、
腓腹筋内側頭、踵骨内側を支点にして足底方形筋と続く筋膜の繋がりだと思っています。

さて、その緩め方ですが、
各骨際の拘縮した拘りを緩めることで、
経路全体の張力を減らして行く方法をとります。
まずは足指、軽く捻ってみて抵抗感が強い側を爪で刺激して、
趾骨周りの筋膜のこだわりをとります。
そのやり方はこの記事をご参考に。

次に踵骨内側のヘリの部分を同じく爪で刺激した上で、
少しほじくる様に拘りを骨からずらします。
足指もこのポイントもクライアントの方は皆、
触られて初めて激痛のあるポイントであることに気づきます。
普段、それに気づかずに済む様に身体が出来ていることが不思議です。


次はふくらはぎの中のチューブ状の硬い筋に対して、
筋の中心に沿って爪で線を引き、
分けて行く様に筋に直角にずらします。
チューブ状の固さが明確でなくなり、
フニャッとしてくればかなり緊張は減っています。
やり方はこの記事を参考にして下さい。

太腿、半腱様筋を緩めるには、
上記のふくらはぎ内の固さを取ることに加え、
坐骨の骨際を緩めるとかなり緊張が減らせます。
坐骨上を爪で刺激して左右にずらします。
ここに触れるのは、もちろん局部に近い際どい部位ですので、
クライアントへの説明と了承を得ることを忘れずに。


最後にひとつの大きな山場として仙骨周りと仙腸関節があります。
仙腸関節が硬く詰まっています。
尾骨を目印に、尾骨から仙腸関節の溝を
爪で刺激しながらほじくっていきます。
梨状筋の固さが認められた時は、
仙骨縁の梨状筋起始部も同じく刺激して緩めます。


これで経路上の、骨への筋膜のへばりつきのある部位を一通り緩めたことになり、
伏臥位なら、施術した側の腰部は明らかに高さが低くなります。

足太陽経筋の流れからは、BL58飛揚なども効きそうですが、
こうした足の外側はむしろ大腿骨頭や腸骨など、
腰の横の方の痛みとつながっていて、
あまり腰中心部の緊張とは繋がっていない様に思います。

足太陽経筋の繋がりを見れば頭部まで緊張は繋がっていて、
実際、頭骨へのへばりつきも私はとりますし、
腹部についてはお腹の側から大腰筋の固さも取るのですが、
あんまりに長くなりすぎたのでその辺はまたにしましょう。

さて、こんな説明はいかがでしたでしょうか?
身体のここを教えて欲しい!もっとこういう図にして欲しい!
などなど、皆さんの興味に従って色々な図を作っていきたいと思います。
沢山のご意見をお待ちしています。

参考:
ヴォルフ カラー人体解剖学図譜、西村書店
ボディ・ナビゲーション、医道の日本社
絵で見る経筋治療、東洋学術出版社

2018年2月18日日曜日

SNSがいくつもあって困っちゃう時は


※画像はiftttのサービス画面より

例えばinstagramなんかはfacebookやtwitterとの
連携機能を標準的に用意しているので、
instagramへの新しいポストをfacebookにもそのままアップしたり、
tweetする事が一発で同時に出来るのですが、
そうした連携機能がない場合、
いくつもあるSNSに毎回別々にアップしたり、リンクをコピペしたり、
ってことはいちいちやってられないわけです。

で、最近はiftttというサービスでSNSを組み合わせて使ってます。
書いたblog記事をfacebookにもlinkedinにもシェアする、とか
instagramにアップした画像をpinterestにもアップする、
といった事が自動化出来るサービスです。

Macのアプリ類とも連携できるので、
こういうメールが来たらこうする、とか、
色々な連携アクションが作れます。

こうしたサービスを使ってみると、
どういうサービスからどんな情報を集めて、どうシェアしたいか、
って方向性が自分の中で整理出来てくる気がします。
例えば、facebookは時間とともに読み捨てられていってしまうメディアなので、
そこに何か文章を書いても、検索されて後から読み返されることはまずありません。
となったら、書くものはblogにきちんと書いて、facebookではシェアだけしよう、
というアイデアになるわけで。
文字情報で知識を伝えたいか、画像で印象的に訴えたいかでも
もちろん使うSNSの組み合わせは変わって来ますしね。

膨大に増えてしまった情報とサービスと中で、
どんな情報を集め、考え、どう発信するのか、
情報を捌いてくれるツールの一つとしてご紹介しました。

情報の整理には一番シンプルなツールがやっぱり便利

改めて、Macのメモアプリの機能が便利だなと。
SafariなどMacの標準アプリには皆、
上向き矢印デザインのアイコン(共有機能)があって、
リンクでも画像でも一発でメモに投げ込む事が出来る。

最近はメモアプリの中でいくつかフォルダを作っていて、
Memo - 他のアプリから一時的に投げ込む先、Inbox
Quest - 調べた情報を整理しておく場所
Vision - MemoやQuestから気づいた事
Medicine - Questの情報とVisionの気づきから生まれた知恵
Journey - Medicineを元にした行動計画や実施記録
Chant - Journeyで実施した事からの反省など

要するにLife HackのGetting things doneですよ。
フォルダ名がネイティブアメリカンのスピリチュアルっぽいだけです(そこが変態)。

書いたメモ一つ一つは、情報が追記されたり、アイデアと合わさって、
段々Medicineになり、Journeyになり、Chantによってまたフィードバックがかかる、
と言った様に振り分け先が変わっていきます。

こう整理する様になってみて、
自分が情報の海の中のどこにいるのか、少し整理出来てきました。
ただ漠然と漂ってるだけなのか、
それともそのエッセンスを上手く集めて知恵に変えられそうなステージにいるのか。
目的はもちろん、情報を如何に知恵と変えられるかなので。
今まで相当遠洋までただただ漂うばかりだったなぁと。
何をどこまで調べていたのか、とか、
どれが調べた事で、何が思いついた事なのか、とか、
渾然としてしまって。

例えばMind Mapは考えの整理には良いですが、
そこから具体行動計画に落として行く繋ぎが足りないと思っていました。
Gant Chartやスケジューラにまた項目を書き直さなきゃならない。
メモアプリならメモをスケジューラにエクスポート出来るので、
思いついた行動をすぐ期日のある計画にして行くことも出来るわけです。

Evernoteや多機能メモ、スケジューラなども色々使ってみましたが、
特定のアプリやサービスに依存するのはあまり便利ではなくて、
PC、スマホ、iPadなどあらゆる媒体で、
最も同じ様に使えるツールがやはり便利でした。
シンプルなアプリの組み合わせが、最も手間がかからなくて楽。
そしてシンプルなテキスト情報のリストが最も視認しやすい。

今までフォルダ分けする癖が抜けなかったのですが、
フォルダの階層は深くせず、なんでもタグ付け管理、
というやり方にも思い切って変えてみました。
なぜかといえば、整理した先が思い出せなくなってきたから...orz

やっぱりシンプルがいいですね。
膨大に増えてしまった情報とサービスと中で、
情報を捌き方の一つとしてご紹介しました。

2018年2月16日金曜日

冬の楽しみ方その3-ボードゲーム



9月末から5月頭まで半年以上も冬だって!?そんなに長い間どうしてんの?
えぇ、そう言われるのはもちろんわかります。
実際こちらの人はフロリダに別荘を持っていたり、
メキシコ、キューバやジャマイカに避暑ならぬ避寒に行く人も多いです。
その辺は時差がないからいいんですよね...

でも長い冬に家族や友人達と楽しむ方法がちゃあんとあるんです。
こちらの民族音楽もみんなで超楽しむぜ!ってスタイルが伝統的にあるんですが、
その話は追々。

街のそちこちに、こんなお店があります。どれもゲーム屋さんなんです。
そう、みんないろんなゲームが大好きでよく知ってるんです。


店内は所狭しと、あらゆるタイプのゲームが揃ってます。
写真がブレブレですみません。


こうしたゲームは4-6人で遊べる様に出来ていて、
基本のセットは4人まで、エクステンションパッケージを買うと6人まで遊べたり、
複雑さが増して面白い様に出来ていたりします。
いくつかご紹介しましょう。

DiXit: 幻想的な絵柄のカードが印象的なカードゲームで、
プレーヤーは順番に"語り部"になります。
語り部は好きなキーワードを言い、
各自はそのキーワードのイメージに近いカードを一斉に出します。
そして"語り部"が出したカードはどれなのか?をみんなで当てっこするゲームです。
キーワードは何を言ってもいいので、みんなふざけて大はしゃぎになれるゲームです。
それぞれ独特な雰囲気のエクステンションパッケージがまた美しくて素敵です。


Citadels: 王様や魔術師、泥棒や商人など中世のキャラクタになって、
自分の支配する町を作って行くカードゲームです。
各ターンごとにどのキャラクタになるかはランダムに変わります。
各キャラクタにはそれぞれ特異な才能があって、
よりお金が稼ぎやすかったり、相手の町を壊せたり。
7つの町を誰が一番早く作るか、駆け引きの楽しいゲームです。


Master Labyrinth: 迷路を進みながらアイテムを集めて行くゲームなのですが、
ワクワクしちゃうのはボード上の迷路は縦横にスライドして
どんどん道が変わってしまう様に出来ていて、
他のプレーヤーの邪魔をしたりする駆け引きが楽しいゲームです。
パズル的頭の使い方も必要です。


Tokaido: なんと、東海道53次を旅して行くゲーム。
様々なキャラクターになって、京都から江戸まで旅をして行くゲーム。
道中、どれだけ沢山美味しいものを食べ、様々な土産を買い、
多くの風景を集めたかで集計される特典を競います。
あまり難しい駆け引きはなく、旅情を楽しむ?ゲームです。


Tales of the Arabian Nights:
このゲームのすごいのは、ボードゲーム+ゲームブックになっていて、
やはり各自様々なキャラクタになって旅をして行くのですが、
行く先々で出会う相手や物事に対して自分のアクションを決め、
さらにサイコロを振ることで、次の展開がどうなるかが決まります。
展開の内容はゲームブックの一節を読み上げることになるので、
まるで冒険物語を聞いているかの様な楽しみがあります。


Race for the Galaxy:
ちょっとCitadelesにも似た、宇宙で自分の国家を作って行くカードゲームです。
カードの写真がなくて残念!写真の左のパッケージがそれです。
星を開拓し、生産工場を作り、商品を売って、資金を増やし、
自分の支配する星を増やしていきます。
中々に複雑で、ルールーを理解するのにちょっと時間がかかりました。


Dominion: プレイヤーは中世の領主となり、自分の領土を拡大していくカードゲームです。
お金や領地を獲得するのに有利なカードもあれば、
他のプレーヤーの邪魔をするカードもあり、
それらを組み合わせていかに早く領地を獲得するかの駆け引きが楽しいゲームです。


Pichunotte: おはじき的ボードゲームです。
向かい合う二人ずつがチームになり、
赤もしくは青の木製のおはじきを
先に全部ネットに弾き落とした方が勝ちです。
的球だけでなく、手玉までネットに落ちてしまうと、的球が一つ復活してしまいます。
指先の力加減が中々に難しい!


こうして調べてみるとほとんどのゲームが日本語版もあり、
日本でも買えるんですね。
ぜひ皆さんで楽しんでみて下さい!

2018年2月7日水曜日

モントリオールBulletin1月号-おいしいTourtière(トゥルティエール)はどう作るか-肩甲骨の回し方

モントリオールの日系紙、Bulletinの1月号に掲載された原稿です。
ケアの仕方がご参考になれば。



ホリデーシーズンは妻の故郷であるLac Saint-Jean 地方のAlma で過ごしました。
今年はモントリオールも雪が多くて、冬らしい冬だね、と話してますが、
Alma の雪の量と寒さはもちろんこんなもんじゃありません...。
あの大きな湖が凍るんですから...。
家の前に深く積もった雪の中に飛び込んでバタバタもがいて、
まるで雪の中で泳いでるみたいな遊びを家族で楽しんできました。

クリスマスに家族が集まると必ず作るのがTourtière(トゥルティエール)というミートパイです。
モントリオール近辺では豚ひき肉で作る様なのですが、
Lac Sant-Jean 地方の人に言わせると、"それはTourtière じゃない!"そうで、
何が違うかといえば、具材の肉はひき肉ではなくサイコロ状の角切りを使うのです。
牛、豚半々にして、タマネギやポテトも同じく角切り。
鍋にパイ皮を敷いたら肉、タマネギ、ポテトの順で塩胡椒を振りながら計6層に敷き詰めて、
上もパイ生地で閉じた後、中央に穴を開けて水をなみなみと注ぎます。
あとはオーブンで半日以上じっくり加熱。

そして始まるのが、Tourtière のレシピ談義。
誰かがSNS に写真をアップしようものなら、どんなレシピでやってるの?とか、
私のはおばあちゃんの教えてくれたレシピのまま!とか、
今年は鹿肉や鴨肉を入れた、とか、
うちは赤ワインと鴨のブイヨン入れた!
などなど家族にとどまらず友人達まで加わってレシピ談義。
毎年似た様な会話なのですが。
そして、いろいろブイヨンとか入れてみるけど、
そんなことしなくてもシンプルなレシピのままで美味しいんだよね、
という話で落ち着くのです。

私はこのTourtière が大好物で、毎年楽しみで仕方がないもので、
相当がっついて食べてしまうんですよね。
年末から新年にかけて、家族だけでなく
友人宅などでもTourtière が出てくるので、何回食べたことか。
ホリデーシーズンは炭水化物ダイエットも禁酒も不可能です。

さて、そんな食い正月的ホリデー明けの運動不足に何かしようと思っても、
今年は雪が多くてなかなか外に出るのも大変です。
寒さで縮こまっている肩甲骨周りをせめて緩めてあげようかと。
肩甲骨を意識して動かすのはなかなか大変ですが、
両手を上げて空に人差し指で皿回しの様に円を描いてみて下さい。
この画では外回しになってますが内回しでも構いません。
最初は指先が空に円を描いている意識で20 回、
次に、動作は同じなのですが、手首で描いている意識、
肘で描いている意識、肩で描いている意識、という様に段々意識を下げながら20 回ずつ、
最後に肩甲骨で描いている意識で20 回です。

こうして意識を指先から肩甲骨まで下げていくと、
動作は同じなのですが、肩や肩甲骨周りがより動かせる様になります。
最後の肩甲骨で描いているときは結構大変で大汗が出てきます。
新春に万歳しているご機嫌な画で始められてなんだか嬉しい...。
今年が皆さんにとって、元気で楽しい、素晴らしい年になります様に!

以下、写真はTourtièreの様子です。
まず、オーブン用の鍋にパイ生地を敷いて、


肉、タマネギ、ポテトの角切りを重ねていきます。


計6層になってます。


上もパイ生地で覆ったら、中央に穴を開けて水を並々注入


半日かけて焼きあがった様子です。


たまらなく美味しいです...