2020年5月15日金曜日

研究室での進捗報告終了〜

研究室の3教授とのzoom会議が終了して真っ白に燃え尽き中…

未だに医学研究のフレームワークの理解が不十分なため、
統計手法などを中心にフルボッコになりつつ、
でもこれをさせてもらえる事に無常の喜びを感じる次第。

研究の仮説や実験手法を支える根拠の提示を徹底的に問い詰められて、
それが出来ないと実験などの実作業が始められない。
こんなんやってみましたというわけには全く行かない。

まだもちろん穴だらけの論理構築で、故にフルボッコになったのだけど、
この2ヶ月で読んだ100を超える論文は随分と自分を強くしてくれた気がする。
以前より教授達の質問に答えられるようになり、
一部のアイデアは興味深いと言ってもらえたり。

整体の道に入った時は、筋膜が肥厚することも、
ヒアルロン酸が潤滑剤であるだけでなく、
粘って動きを悪くする理由にもなることすら知らなかったもんなぁ…

この研究室に入ることになった時、
”博士を取るなら、君はその分野を世界で一番知っている人間になり、
 かつそこで技術的な革新を起こさなければならない”
と言われたのを思い出す。

博士への登山道の、登山口くらいにはたっただろうか。
登山靴のヒモの締め方がまだ甘いと言われつつも。

2020年5月2日土曜日

陰謀論は楽しいけど、トランプ支持になっちゃうよ…?

コロナウイルスは影の権力が仕掛けた嘘で、ワクチンは必要ないし、ビタミンD飲めばかからない、ってビデオが和訳までされてシェアされてますが…

1.医学研究は計画の段階からその研究手法の細部に至るまで厳しく審査されて行われ、得られた結果も、その研究手法に応じて信頼度が評価されます。この人はビタミンの仕組みは知っているかもしれないけど、患者を使った研究すらしていない。そういう意味で信頼度は0です。医学が分かっている専門家とは思わない方が良いです。

2.トランプなんかも次々にあれはどうだ、これは利くんじゃないか、なんて発言しちゃってますが、たとえ数例に効果があったとしても、みんなに利くかわからないし、何よりもそれで副作用や害があったら大変なんです。医学研究はその部分をとても大切にしているから、この人の様にたった一つの知識で検証もしていないものを軽々と勧めたりしません。ビタミンが内皮細胞機能を健全にしてくれるって一般的な知識は良いとして、それがコロナとどう関係するか、まだ世界の誰も知りません。一方で、ビタミンの過剰摂取で何が起こるのかも調べてみて下さい。それはそれで危険です。

3.こんな症例があったよ、という一番信頼度の低い発表から、様々な治療結果を比較するような研究、更に複数の研究結果を比較する研究など、信頼度を十分に高めた結果が各医学会や公的機関などで診断や治療のガイドラインとして決められていくものに繋がります。なので、影の権力がこのガイドラインを決めて医者たちを支配してる、って言われると、じゃぁ我々(私は医者じゃないですが研究者の端くれです)のこの日々の地道な研究努力は全否定なの?って思います。勘弁して下さい。

話の中に少し科学が入り込むこういう人が一番やっかいだと思ってます。私も以前勘違いしていましたが、物理化学の知識があったとしても、医学研究を理解したことにはならないのです。それは人々への安全性を確保するために、上記の様に信頼性を高めていく医学研究の複雑な構造があるからですが、それも人々の命に対して嘘や間違いが無い様に細心の注意を払っているからです。見るからにこの人はそれを分かっていないです。

そして、この人が煽る反ワクチン、ロックダウン解除はオルトライトの最右翼と繋がってトランプ支持になるのですが、それで良いんですか?
もしみんな"アメリカ版武田邦彦だ〜"とかネタとして笑って見てるのだったら、マジレスしてごめんなさい。