2020年9月23日水曜日

McGill大フランス語インテンシブコース


カナダのケベック州、モントリオールは歴史的にフランス語系文化と英語系文化が共存する独特の文化圏です。元々フランス系移民が作った街ですが、米国独立後、その独立を嫌った英国系移民がカナダに移民しました。モントリオール島の中心にあるロワヤル山を中心として、大まかに東側はフランス語圏、西側は英語圏に住民は分かれています。ただ、街全体、英仏どちらの言語でも通じます。


Mcgill大学はカナダ、モントリオールにある複数の大学の内、英語圏の大学です。米国のアイビーリーグとも肩を並べる歴史ある優秀校です。この語学クラスはそのConrinuing Studies部門に属するコースで、フランス語と英語の集中クラスがあります。



フランス語の集中クラスはレベル1から5までのコースがあり、レベル5まで修了すると、サーティフィケイトと呼ばれる修了証が得られ、これがフランス本国が規定するDELF B2相当とケベック州では認められるため、多くの移民希望者がこのコースを選択します。職能移民申請のためにはケベック州ではフランス語が中上級であることの証明が必要だからです。各レベルの授業料は約2300カナダドルかかります。以下の内容は2017年内に全てのレベルを修了した経験談です。


コース申込後、コース開始の前の週あたりにプレイスメントテストと呼ばれる能力確認テストが行われます。この結果次第でどのレベルに入れるかが決まります。その日程が直前まで明確でないので、日本から来られる場合は早めに問い合わせをした方が良いでしょう。テストは筆記と面接です。比較的短時間で終わるもので、結果はクラス開始当日に行ってみないと分かりません。


一つのレベルは6週間、9時から3時までのフルタイムです。途中1時間の昼食時間を含みます。私は全くの知識ゼロからだったので、レベル1から5まで全てを受講しました。


6週間の内、5週目に殆どのテストが行われます。どのレベルでもクラスメイト2,3人と共同作業を必要とするプレゼンテーションがあり、筆記、オーラル面接の試験も行われます。先生方の評価は、比較的努力部分も認めてくれるものではあるので、なんとか授業についていって、こうした課題をきちんとこなせば各レベルを修了出来ないケースは稀です。フランス語の場合各レベルのクラスは1クラスだけで、生徒数は20人弱でした。私が参加した各レベルで脱落した生徒はおよそ1人ずつで、そもそもやる気が無くて欠席が多いなどの問題がある生徒だけでした。参加している生徒達の出身国や年齢は様々で、中国や中南米からの学生が比較的多かった印象があります。日本人は殆どおらず、全レベル中で、2人程にお会いしました。


各レベルの文法等の積み上げ方はとても良く構成されていたと思います。

・レベル1では現在形のみ、自己紹介が出来る事が目的であり、出身国や職種、趣味、時間、挨拶など自己紹介が出来ることが目的でした。

・レベル2では過去完了形が加わりました。自国の食文化を説明できる事がテーマになっていて、食物、住まいなどの語彙を始め、生活に必要な知識を身に着けました。このレベルでは授業内の説明も全てフランス語で、他国語をクラス内で話すことも禁じられました。

・レベル3では半過去や未来形等の文法が加わりましたが、それにもまして先生達の話すスピードが一気に上がり、生徒の理解を待つよりは、耳を慣れさせるためにマシンガントークするモードになっていました。レベルのテーマは議論する事で、授業内のエクササイズでもテーマを与えられて、それについて議論したり意見を言うことを求められました。

・レベル4では仮定法や代名詞などの複雑な文法が更に加わりました。レベルのテーマとしてはニュース等に使われる表現に慣れる事と 記事などの論理建てた文章の書き方を学ぶという目的があり、接続詞他、動詞の全ての活用形態も習い、レベル3以上の議論能力が求められました。

・レベル5では芸術的表現に関する用語と文法がテーマで、感情の表現他、全てのレベルを総括する文法が含まれました。プレゼンでは流暢に話すことが課題となり、丸暗記の棒読み発表は否定されました。


授業内では習った語彙や文法を話して練習するエクササイズやゲームが盛り沢山で、そうした内容にとにかくついていく必要があります。上記の通り、各レベルでは5週目に2,3人の生徒と共同でプレゼンテーションをすることが求められ、その準備のために協力して作業することが必要になります。例えばレベル4では一つのトピックに対して賛成派と反対派に分かれて論点を示して模擬議論をしたり、レベル5では何らかの舞台芸術やコンサートを聞きに行って、その内容について発表するといった事です。レベル3以上ではメモを読む様な発表の仕方は減点となるので、準備した内容は覚えて臨まなければなりません。


各レベルの3,4週目の金曜日には授業時間内にクラス全体で出かけるイベントが企画され、ジャンタロン青果市場、蝋人形館、旧市街散策、メープルシロップ農場などを訪問してモントリオールやケベック州の文化や歴史にふれることが出来るようになっていました。


教師陣はフランス人やケベック人だけでなく、ポーランドやチュニジア出身の先生もおられました。基本は公用語としてのフランスのフランス語を学ぶのですが、上記の様にケベック州に移民して生きていく事を目的とした生徒が多いので、ケベックの方言で話す教師も含まれており、発音の違いやケベック独特の表現なども学ぶことが出来るようになっています。


授業内容も教師陣も素晴らしかったのですが、なんと言っても参加している生徒達の意欲が高かったのが最も素晴らしい事でした。授業料が高い分、そして移民のために確実にフランス語が話せるようにならなければならないので皆真剣なのです。私はケベック州政府が財政支援する無料のフランス語クラスにも参加した経験がありますが、そちらでは参加者の半分が2回目から来なくなり、教師の意欲も低く、体系建てた授業内容も無く、何かが身につくものではありませんでした。(これはあくまでモントリオール島内のある中上級レベルの体験です、他がもっと充実したものであることを願います)


毎年12月にはMcGill Got Talentと称するイベントが行われ、英仏両コースの生徒達が様々な芸を披露します。私はふと思いついてしまって、フランス語を学んできた過程を、小さなシャボン玉から、段々複雑なシャボン玉や大きなシャボン玉を使って、能力と夢が広がったよ、という小話にしました。後から見ると間違いだらけで恥ずかしい仕上がりですが、良い思い出になりました。


このインテンシブコースのレベル5を修了した人は、年に2回、5月と10月に行われるマギル大学全体の卒業式に参加することが出来ます。時期に応じて5月か10月のどちらかに参加することになるわけです。映画などでよく見る、黒いローブに四角い帽子をかぶって、壇上でひとりひとり名前を読み上げられ、学部長にポンと肩を叩かれて卒業を証明されます。世界中から集まった学生達とその家族の歓声が渦巻く、筆舌に尽くしがたいとても感動的な体験でした。


レベル1から5まで全てを一緒に経験した友人が何人か出来ましたが、授業の経験、そして移民を目指す事も含めた戦友、の様な感じでその後も交友が続いています。


総じて、身についたフランス語も、クラスを通じて得た経験も私にとってとても満足するものでした。このインテンシブコースを強くおすすめします。COVID下でクラスはまだオンラインになっている様ですが、早く状況が改善することを切に願います。

2020年7月30日木曜日

ガスペジ旅行-その4鮭

宿泊していたMadeleine近辺は鮭が遡上する川がいくつもあり、
鮭の釣り場もいくつもあるそうです。
Madeleine川には途中大きな滝があり、
そこには鮭が川を登れる様に迂回路が作ってある、
と言うので見に行ってきました、Passe migratoire du grand sault
ここへ行くには、Rivière-la-Madelaineの街から国道132号を
ちょっと上がったところから看板にしたがって脇道に入るのですが、
その脇道が崖すれすれの凸凹山道で、4WD必須です。
本来バギーやスキードゥ用の道で、軽自動車やセダンでは自殺行為です。
そんな道を9kmも行かなければなりません。

しかし到着した先にはまた素晴らしい滝の風景が待っていました。

滝の手前に階段状の迂回路が作ってあり、そこを鮭が上っていくのです。
その光景は見られませんが、最後一番高いところのいけすに泳ぐ鮭が見られました。
10年も働いているという管理人のおじいさんが、
30分おきに鮭の数をホワイトボードに書き換えている様子が。























分かりにくいですが、左上の橋桁の影の近くにある黒い縦長の影が鮭です。





















7月は1187匹上がってきたと書いてあります。すごい数ですね。

いつか釣ってみたいなぁと思いつつ、食欲の方を先に刺激されて、
夕飯はサーモン色のシャツ着てサーモン色のロゼワインを飲みつつ、
サーモンクリームパスタでした!


ガスペジ旅行-その3大陸の果て

Gaspésieというのは地域の名前ですが、ガスペ半島でもあり、
ガスペという名称は先住民であるミクマク族の
この半島は北米大陸東側のアパラチア山脈の北端でもあって、
崖や切り立った岩肌も有名なのです。

道中、海沿いはどこも切り立った崖が続いてます。
こんな景色がずっと続いているのです。
この地を形成した3つのプレートテクトニクスの話などを読むと萌えます。

運転中&景色が壮大すぎてうまく写真が取れなかったのですが、
Saint-Anne-des-Mont周辺では道沿いに壮大な崖と地層が見られます。

特徴は薄い堆積層の重なる様子で、どこの景色でもそれが確認できましたし、

あぁ、それが剥がれて出来たかけらが流れで洗われるとこうなるんだな、
という様な平べったい石が海岸では見られました。
港によって様々な色があってワクワクします。





















本当はGaspéの街の先にあるPercéが大陸の端であるのですが遠い…
ので、もう一つの崖の名所であるForillon国立公園に行きました。
見上げるばかりのこの崖の上にぐるりと7km程のお散歩道があるんです。

































上りはなかなかに凄いですが距離はそれほどではないので、
とにかく展望台まで頑張って、後は左回りになだらかな上下を愉しめば良いと思います。
登山道ほど危険はありませんが、スニーカーなど一応歩ける靴をお勧めします。
上りへの途中にある階段。ここまでと、この後の展望台までがなかなかに汗だく。

































しかし高さにおっかなびっくりの展望台の上からこの景色を見れば、
世界の広さに心が晴れ渡るでしょう!






















戻った公園入口の駐車場近くには、別の展望エリアもあります。

ペンギンが見られるときもあるそうです。


海岸に降りることも出来ます。遊泳は禁止のようですが。
波に現れるところとそうでないところで明確に石の大きさが違うのが興味深い。





















平べったくて、現代アートの様な石。
夏のガスペジ旅行の思い出です。

ガスペジ旅行-その2海を味わう

Saint-Jean-Port-Joliから車を走らせて5時間半。
Madeleine岬灯台近くの宿に到着。

この岬はMadeleine川の河口でもあり、そこが洲になって海岸になってました。
車で洲の先端まで行けるので降りていってひと泳ぎ。

満潮時には先端が水没する砂浜ですが水も暖かくじゃぶじゃぶ歩いて楽しかったです。




愛犬は見たこと無い様なはしゃぎ方をしておりました…

夕方は漁師小屋的な名前のレストラン、La Capitainerieへ。
ちなみにこの辺にはこのお店ともう一件くらいしかレストランがありません。
隣の街まではどちらも20-30km

漁師おまかせ2人前を頼んだら、すんごいのが出てきました。
オマール、鮭、ムール貝、タラの豪華盛り!


空と海と夏を全身に浴びた様な体験でした。

ガスペジ旅行-その1オマール海老

一週間のお休みを取って、ガスペジに行ってきました。
正確には、ガスペ半島北側のLa Haute Gaspésie郡、
Madeleine岬灯台付近に部屋を借りて拠点とし、あちこち行ってきました。

モントリオールからMadeleineまでは800km超。
ナビでは少なくとも8時間半かかると。
実際現地の国道132号線の距離表示はMadeleine付近で1000kmを超えてました。
(国道132号線の西の起点はモントリオールの100kmほど西、NY国境近くなんですね)
モントリオールからは高速20号と国道132号経由で行くのですが、
なにせ高速20号がSainte-Flavieの街付近で終わるので、
後はひたすら国道132号を辿ります。
小田原から熱海までのビーチラインを車を走らせたことある方、
あんな様子が230kmも続くと思って下さい(例えがローカル過ぎ)。
湾のあるところに街があり、町ごとに教会があり。
街と街の間は90km/h、街の中は50km/hの速度制限の繰り返し。
海と空と、崖と広大な畑と…カナダのデカさを体感してきました。
なんたって、その1000kmがケベックのほんの一部なんですから。

もちろん一気に現地まで行けるわけもなく、
途中でまず立ち寄ったのは、Saint-Jean-Port-Joli
ケベック市のもう少し先といったところです。
ここは、世界で一番美味しいオマール海老料理を出すという、
La Queue de homardがあるんです。(オマール海老のしっぽの意味)
美味しさの秘訣は、茹でるのでなく、高温スチームで短時間で仕上げるから
旨味が逃げずかつ身がすごくジューシーだと言うのです。
それを味わうがために、この街に一泊したのでした。

ちょっとカントリー風なお店、ワインは持参するお店です。

受付のカウンターは仕掛け籠で出来てました!店の内外にもこの籠が山積み。

海を感じさせる店内装飾

そして水槽とキッチンエリア。本来自分が食べるエビをここで選ぶシステムなのですが、
COVID対策のため近づけない仕組みに。

メニューです〜

そして、これがその世界一美味しいオマール!
店員さんが、今年のは特に美味しいよ、と。
これでも小さい方なんだそうです。
身が、本当にジューシーでふわふわ〜極上の体験でした!







2020年7月7日火曜日

整体 夏の季節を胸いっぱいに吸うために - 横隔膜の硬さと肩甲骨周りの緩め -

モントリオールの日系紙、Bulletinの2020年6月号に掲載された原稿です。


緑の芝生にたんぽぽの黄色が映え、そこにニレや楓などが葉を広げ、黄緑の花芽を一面に落として…目にも楽しい季節がやって来ました。上を仰げば、ポプラなどの背の高い木々は、漸く広げ始めた赤い葉に葉緑素の緑が徐々に行き渡っている様子。ギーというキツツキ系の鳥の鳴き声とともに木を突く音も響き渡ります。あぁ、本当に季節は変わりましたね。朝5時過ぎから夜8時過ぎまで明るい夏の季節の始まりです。はい、モントリオールでは春は気づかないうちに行っちゃうんです。もう夏です。

 

タイミングを合わせた様に、ケベックも社会再起動の道筋が見えてきて嬉しい限りです。我々も広がる緑の様に思い切り気持ちを開放させたいものです。

 

ロックダウンの2ヶ月。我々の身体にはどんな事が起こっていたでしょうか。眉をひそめて読む暗いニュースに胸が塞がり、足は地につかず手に汗握り、先行きの不安に肩をすぼめながら、固唾を飲んで政府発表を聞いていた…皆不安に関わる日本の身体言葉ですが、昔の人達がこうして言葉にしてくれたとおり、我々の身体は様々な感情に対して反応している様なのです。

 

今回取り上げたいのは、特に胸の塞がりとすぼんだ肩です。胸の塞がりは胸骨回りや横隔膜の緊張、すぼんだ肩は肩甲骨回りの可動性低下と言い換えてやることが出来そうなので…要するにそれじゃ呼吸が浅くなっちゃってるから、思いっきり息しましょうよ!気持ち良い季節に向けて!という事なんです。

 


横隔膜は我々がちょっと考え事をしたときですら、真っ先に緊張する、最も反応の早い部位です。しかしその分緊張しっぱなしという事が起こってしまいます。みぞおちを揉んで解すというわけにも行かないので、頭を緩めることで腹部を緩める方法をご紹介します。本来腹が立って(腹直筋が硬直して)気が立った時に、頭に角が生える(前頭部の一部が怒張して隆起する)。それを鎮める方法なのですが、これを行うことで腹部の緊張が緩みます。不思議ですよね。お腹と前頭部の緊張が繋がっているのです。

 

やり方は、まず掌をよくすり合わせて手を温めましょう。そして、少し手を離してみて、両手の間に少しほわんと温かさを感じられたら、OKです。イマイチの場合は、そのまま目をつぶってゆっくりとした呼吸をしながら、その呼吸が掌から出入りしている事をしばらくイメージしてみて下さい。もっと本格的なやり方を知りたい方は野口整体の合掌行気法というキーワードで調べてみて下さい。

 

ほんわかと温かい手を前頭部に当てるのですが、場所はちょうどカチューシャをするライン上、両目から上がっていってそのラインとぶつかったあたりに、わずかな凹みがあります。そこに左右それぞれ掌を当て、暫くその掌の暖かさを楽しみましょう。そのまま掌から呼吸が出入りしている感じを続けます。ズンズンと掌に当たる拍動が次第に穏やかになり、腹部の硬さが取れてきて、お腹に息が入れやすくなります。手を当てている時はあまり考え事をしないのが理想ですが、この2ヶ月、よく頑張ったなぁとじんわり感じるのも良いのではないかと思います。この時に出てくるあくびや涙、身震いなどは身体が緩んできたサインです。抑えずにいくらでも出して下さい。


肩甲骨は積極的に動かして行きましょう。肩甲骨を意識して動かすのはなかなか大変ですが、両手を上げて空に人差し指で皿回しの様に円を描いてみて下さい。この画では外回しになってますが内回しでも構いません。最初は指先が空に円を描いている意識で20回、次に、動作は同じなのですが、手首で描いている意識、肘で描いている意識、肩で描いている意識、という様に段々意識を下げながら20回ずつ、最後に肩甲骨で描いている意識で20回です。こうして意識を指先から肩甲骨まで下げていくと、動作は同じなのですが、肩や肩甲骨周りがより動かせる様になります。最後の肩甲骨で描いているときは結構大変で大汗が出てきます。始めは肩甲骨と肋骨がぶつかってゴリゴリ鳴りますが、回しているうちにその音が減ってきます。

 

もっと胸周りをすっかり緩めたい方は、こちらのビデオをご参考になさって下さい。

https://youtu.be/osq2HpudlkE

疲れ目のセルフケア

モントリオールの日系紙、Bulletinの2020年7,8月号に掲載された原稿です。

モンロワヤル通りが歩行者天国になって、久しぶりにバーのバルコニー席で一杯やって来ました。あぁ、ケベックは森の中の静けさも素敵なのですが、こうした人の賑わいというのも人間には必要なんだよねと妻とほっと一息。今年のバルコニー席はどの店もスペースが大きめで、テーブルの間隔も大きく、メニューはテーブルのバーコードを自分の携帯で読み取るようになっていたりして、なるほど、接触を減らすために知恵を絞ってるなと思いました。

通りの先に見えるロワヤル山。なんだか久しぶりにこんな遠くを見た気がします。日々のニュースを追いかけ、外出出来ない分映画やYoutubeを眺め、この3ヶ月、どれほど我々の視界と意識はこの近距離の小さな画面の中に囚われていたことでしょう。これからの気持ち良い季節に、目の使いすぎで疲れた頭と首肩回りを開放して、思い切り夏を楽しみたいものです。

まず、目の疲れは直ぐに後頭部の緊張に繋がります。ですので、まず後頭部を緩めましょう。まず眉毛を大きく上下に動かしてみて下さい。後頭部や頭皮に緊張のない人は眉毛の動きで後頭部の頭皮まで動きます。しかし皆少なからずつっかかりを感じるものです。確認後、後頭部を手の爪でバリバリとよく引っ掻いて、その後に後頭部の頭皮に掌を当てて、色々な方向にしっかり動かします。頭皮の動きの悪いところほどよく引っ掻いて、その後頭皮をしっかり動かしてあげて下さい。もう一度眉毛を大きく動かしてみると、後頭部と頭皮全体が緩んだかどうかが分かります。
次に目を左右に限界まで動かしてみましょう。例えば右を思い切り見ると左耳がピクッと動きませんか?どうも目の動きと耳は繋がっていて、側頭部の緊張にも繋がっている様なのです。側頭部が緊張すると、耳は縮んで全体的に固くなります。これを緩めるにはゆっくり引っ張れば良いのですが、強い力でぎゅうぎゅう引っ張ると逆に反射で固くなってしまうのが注意点です。ゆっくりとした動作で、腕の力も抜きながらひっぱりましょう。耳の上の方は斜め上の方に、真ん中あたりは横の方に、下の方は斜め下の方に。少しねじりながら引っ張ると効果的です。もう一つ、耳の前にある三角の突起、これを耳珠(じじゅ)と言いますが、これも指で摘んでゆっくりひねります。これらの結果、耳輪と呼ばれる耳の外周全部がプルプルに柔らかくなって、耳全体がじわっと暖かくなればOKです。これで側頭部もある程度緩んだことになります。
眼窩と呼ばれる頭蓋骨の目のくぼみ、その内側から目の縁、そして外側までどうやら筋膜は続いている様で、目を使う疲れは目の周囲に現れている様子です。まず、目を八の字に動かしてみて、動きにくい動作部分を確認してみましょう。その後、眼窩の骨際に沿ってその周囲をゆっくり押していきます。目玉を押してしまわない様に、骨のエッジを探しながらゆっくりと。目の真下にある頬骨の出っ張りのあたりもゆっくり押します。一通り出来たら、また目を八の字に動かして、目の動きが楽になったか確認してみて下さい。

目への負担を減らすには、PCや携帯画面の明るさを時間によって調整するのも効果的です。太陽の光は午前中から昼には白色光が強くなり、夕方には赤い光の成分が増して行きます。これが我々の自律神経のサイクルに関係している様なのですが、夜になっても青や白の強い光を含む画面を見つめていると、目も疲れるしなかなか神経が休まりません。PCや携帯画面の明るさは夕方以降は弱めに設定しましょう。画面の明るさは部屋の環境光と同じ程度が目に負担が少ないとされています。最近のノートPCは画面の明るさを自動調節してくれるものが多いですが、もしそうした機能がない場合、フリーウェアを使って調整するのも手です。https://justgetflux.com/ 私はエクセルやワードなどの長時間作業のときはセルや紙面の背景色を白から灰色に変えて作業します。これも画面の明るさを減らす工夫です。文字の大きさを大きめにしたり、表示を拡大するのも目の負担を減らすのに良いでしょう。

いよいよケベック州も各種制限が解除されて、また色々な行動が出来るようになりました。凝り固まった身体をケアすることで心も一息ついて、ケベックの素晴らしい夏を楽しみましょう!

2020年6月13日土曜日

「不安で縮こまった身体を開放しよう!」オンラインセミナまとめ

過日モントリオールアカデミー会有志企画のオンラインセミナで、
「不安で縮こまった身体を開放しよう!」と題し、
主に首肩胸周りの緊張のセルフケア方法をお伝えしました。
以下はその内容のメモです。

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本日の内容のメモと参考にして頂けるYoutubeビデオをお送りします。
ビデオの説明書きがフランス語なのですが、
基本は見たとおりにやって頂ければ良いと思います。

1.不安な時の身体の様子

以下は外部からの物理的な攻撃に対する防御姿勢ですが、

心理的なストレスでも無意識に起こります。

・横隔膜が真っ先に緊張し呼吸が浅くなる(胸が詰まる)

・肩が内転、肩甲骨が上がる(肩を窄める、肩を怒らす)

・首の後ろが縮まる(首が回らない)

・4本指と向き合うはずの親指が同じ向きに揃って合谷が詰まる

・アキレス腱やふくらはぎが緊張する(地に足が着かない、浮足立つ)


2.緩めるための理屈

・筋肉を包む筋膜は身体中繋がっており、遠くまで力を伝える

 その筋膜が骨際など要所要所で癒着して動きを悪くする

・痛いところは結果であり、筋膜の繋がりを通して手足の末端からケアすると

 体幹まで緩みやすい(例:首肩なら手腕、腰なら足を緩める)

・癒着した筋膜は押したり刺激すると最初は痛いが、緩むと痛みは無くなる


胸いっぱいに深く息を吸ってみて、胸周りで広がりが悪く感じるところはあるだろうか?


3.首肩と手は筋膜緊張が繋がっている、だから指先から緩める

・指:各指軽くひねって抵抗感を確認、しっかり曲げてみて痛みが無いかどうか

 親指は手前回しに、人差し指は向こう回しに皮膚を回す->合谷が緩む

 指の付け根付近を爪でぐるりと刺激

・掌:グーパーしてみて抵抗感を確認

 水かきに沿って爪で刺激

・手首:頭を左右に振ってみて首に違和感を確認

 首に違和感のあった方の手首を反対の手で掴み絞り下げる

・肘:反対の手で肘を抱えた時に親指に当たる骨が橈骨の頭

   その骨の上にある硬い筋を自分の側に骨周りにずらす

・上腕:反対の手で上腕を抱きかかえた時に、4本の指先が上腕の裏側に触れる

 4本指の爪を揃えて上腕の裏側を縦に刺激し、骨に直角にずらす

 振り袖の脂肪とりにも効果的

・肩甲骨は仰向けになって、床との間にテニスボールなどを置いて刺激するのもよし

・後頭部:眉毛を思い切り上下に動かしてみておでこや頭皮の突っ張り感を確認

 後頭部を爪で引っ掻き回し、頭皮を動かす。頭皮の動きが悪いところを探しては同様に

 背中の上部まで緩む

 参考Youtubeビデオ:https://tinyurl.com/y74vfk8b


4.肩がすぼんだ姿勢は胸骨周りに筋膜の癒着を生む

・胸骨の緩め:胸骨に沿って上方向になで上げる

 胸骨の真ん中あたり、平らなところを爪で縦に刺激し、横方向にしっかりずらす

・鎖骨:2本指で上下にはさみ、方から中心に向かって撫でる

 皮膚を撫でるだけでよいが特に鎖骨下の縦の筋を弾いていく様に少し強めにやっても良い

・肩の内側:上腕骨のすぐ内側に僅かな溝がある

 溝に沿って爪で刺激し、その溝をほじくりながら内側にずらす 

・腕を回す

 出来るだけ大きな円を描くイメージで、最初は指先が円を描いていると思いながら10回

 動作は変わらないが、次は手首、肘、肩、最後に肩甲骨に意識を変えて10回ずつ。

 肩甲骨で描いているイメージまで来ると相当汗が出てくる

 参考Youtubeビデオ:https://tinyurl.com/yc8rglyb

 

5.腰痛

・腰の中心部の痛みは足の内側に緊張の繋がりがある

 太もも中心を肘でしっかり押す

 参考Youtubeビデオ:https://youtu.be/5GNbLmNvr4w?t=231

・腰の外側の痛みは足の外側に緊張の繋がりがある

 靴に押されて縮んだ足の薬指、小指を引っ張り出す

 参考Youtubeビデオ:https://youtu.be/M9ayBOGeRAE?t=63


早食いによる消化負担が腸内の残留物やガスを生み、下腹部が重くなり、全身の緊張を生む

早食い注意、特に塊を飲み込まない様に。よく唾液を使う

一週間くらいまじめにやっているとお腹の重さが変わってくる


ご質問等はいつでもどうぞ!

2020年6月3日水曜日

カナダ、ケベック州での各種ヘルスケア業再開について

カナダ、ケベック州労働安全衛生の公平性基準委員会からのガイドラインを機械翻訳後にざっと手直ししたものです。皆さんのサロン、治療院での防護対策の参考になれば幸いです。

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このガイドは、治療分野(診療所、理学療法、オステオパシー、作業療法、カイロプラクティック、マッサージ療法、心理学、検眼など)の企業が、職場における労働安全衛生(OHS)の管理を支援することを目的としています。COVID-19に関して、可能な限り最も安全で健康的な状態で活動を再開または継続できるようにすることを目的としています。

危機の時には、労働者、使用者、その他の利害関係者が協力して、すべての人が健康で安全な職場を確保することが重要です。そのためには対話と協力が不可欠です。

* 治療ケア部門の協会や専門家の指示により,あなたの職場の中にはCOVID-19の予防に関する優れた実践を提供しているところがあるかもしれないことに注意してください。それらを応用することも大切でしょう。

労働安全衛生管理
担当するとは、法的義務を遵守するために必要な措置を講じること、すなわち、リスクの特定、修正、制御を行い、労働者がこの予防的アプローチに参加することを奨励することを意味します。OHSの管理を推進するためには、事業主と従業員の良好な連携が不可欠です。

雇用者は、VIDOC-19の感染リスクを特定しなければならない。彼の職場で 汚染のリスクを排除できない場合は、以下のことを行う必要があります。それらを減少させ、コントロールすることを目的としています。労働者がウイルスにさらされる可能性のある作業を特定しなければならない。取引先、下請け業者、パートナー、取引先には、VIDOC-19に関連するリスクをコントロールするためにクリニックで実施されている予防策を伝え、それを尊重することの重要性を認識させています。

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適用可能な予防策は、症状のある人を職場から排除すること、物理的な距離を置くこと、手洗い、呼吸器エチケット、頻繁に触れる道具、器具、表面の衛生対策の維持などの原則に基づいています。

COVID-19に関して、それが社会のさまざまな領域で引き起こす混乱を通じて、雇用者、労働者、サプライヤー、下請け業者、パートナー、顧客にとっても重要なストレス要因となり得る。そのため、スタッフの心理的な健康には特に注意を払わなければなりません。

症状のある人の職場からの排除
症状のある人は、職場でのCOVID-19の感染の連鎖の一端を担っています。
以下のことを考慮した手続きを行うことで、感染を防ぐことができます。

・労働者は、咳、発熱、呼吸困難、鼻づまりを伴わない突然の臭いや味の消失などの症状が現れた場合、VIDOCに付随する症状が現れた場合には、労働者に注意を促します。彼らは職場に出勤する必要はありません。
・職場に入る前のVIDOC-19の症状を持つ労働者の特定
例えば次のような方法で:
 -アンケート
 -労働者による自己評価
・職場で症状が出始めた労働者を隔離、手続き用マスクを着用、関連部門1-877-644-4545に報告
・ クライアントの予約時に、症状がある場合は来ないように伝え、到着時にもクライアントに症状の確認を行う
・サプライヤー、下請け業者、パートナー、顧客には、COVID-19に関連するリスクを低減・管理するために社内で実施している予防策を周知し、それを尊重することの重要性を認識させる

物理的な距離
・可能な限り、人と人との間の距離は最低でも2メートルを確保してください。入所から退所までの間、仕事場で管理されていること。
・ この距離は、休憩時間や昼食時間にも維持しなければなりません。
・ 握手やハグは避けるべきです。
・ 同一エリア内に複数の作業ステーションがある場合、各ステーション間のスペース(例えば、処理エリアや受付エリア)を増やすか、他のステーションを全て排除することで、通常はこの距離を維持することが可能となる。

物理的距離の原則が尊重されない場合には、伝染のリスクを制限するための適応を行わなければならない
・技術的な手段を利用すること(例:事務作業のためのテレワークを考える)。
・治療エリアなどの間隔を空けることができないところでは、作業場の間に物理的なパーティションを設置
・受付など、スタッフとお客様との間に物理的な障壁(透明な無垢の壁)を設置すること。
・働き方の設計。例えば
 - 可能な限り最小で最も安定したチームで
 - チームやシフトを分けることで労働者の数を減らし、タスクのローテーションを減らす
 - 物理的に集まる会議を開催しない。
 - 物品の共有を避ける(鉛筆、文書、コンピュータ・ステーションなど)。
 - クリニック、特に待合室での患者数の制限 例えば、アポイントを取るように促したり、車や外で待つようにしたり、可能であれば一人で来てもらうようにお願いする
 - お客様のために役立つ情報(指示書、手指衛生規則、呼吸法エチケット)をすべて記載した看板を施設の入り口に設置
 - コートチェックでコートを預けるように客に頼む
 - 可能であれば、到着時に手を洗うための洗面器をゲストに提供するか、少なくとも60%濃度以上のアルコールのボトルを提供
 - 窓口で2メートルの物理的距離を測定するための標識(道路標識など)を設置します(該当する場合)
 - 顧客が端末に触れないようにするために、非接触型の支払い(非接触型端末での銀行カードなど)を推奨
・人に近いところで提供されているサービスでは
 -  危険に適した個人用保護具は、他人から2メートル以内にいる必要がある作業を行う人員に提供され、物理的な障害物がない場合には、その危険性に適した保護具が提供される。マスクと目の保護(あごまで顔を覆うゴーグルやバイザー)。
作業用ガウンは、依頼者との身体的な接触や近接を必要とする作業を行う場合に用意すべきです。作業用ガウンは、クライアントごとに安全な方法で交換されなければならない。

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手洗い
ぬるま湯と石鹸、または少なくとも60%濃度以上のアルコール水溶液で20秒以上頻繁に手を洗うことで、職場での感染リスクが制限されます。特に、
・顔(目、鼻、口)を触る前に
・咳やくしゃみ、鼻をかんだ後
・食事の前後
・現金、用具、備品など頻繁に触れられるものに触れたり、荷物を受け取った
・各顧客の前後
・顧客との物理的な接触後 
・個人用保護具を着用する前に、また、取り外しの際に

咳エチケット
せエチケットの遵守は以下のように構成されています。
・咳やくしゃみをするときは、口や鼻を覆いましょう。肘を曲げたり、ティッシュを使用します。
・使い捨てティッシュを使う 
・使用済みティッシュはすぐにゴミ箱に捨ててください。
・手袋をしていてもしていなくても、手で口や目に触れないようにしましょう。

頻繁に触れる道具、備品、よく触れる表面の衛生対策の維持
COVID-19の原因となるウイルスは、表面上で生存することができるため、衛生対策の適用が不可欠です。
・換気システムの適切な運転とメンテナンスの確保
 -施設の種類と実行される業務の規制要件に基づいて、換気システムの適切な運転とメンテナンスを行う
・共用部の不要品(雑誌、新聞、小物)の撤去
・シフト毎に最低限各業務エリアを清掃し、毎日消毒を行う
・毎食後のダイニングエリアの清掃と、毎日の消毒
 例えばテーブル、椅子、冷蔵庫の取っ手、電子レンジ
・少なくともシフト毎に、目に見えて汚れている場合は、頻繁に触れる表面の清掃と消毒を行う。
 例えばロッカールーム、従業員ラウンジ、テーブル、カウンター、ドアノブ、電話
・施術室や待合室では、顧客と接触した表面、機器や資料を、複数顧客が共有しなければならない場合には消毒する
(決済端末、椅子、テーブル、臨床機器や資料など)
・必要に応じて、個人用保護具を安全な方法で取り外し、再利用できないものはゴミ箱に捨てるか、専用の容器や再封可能な袋に入れて処分して
・再利用可能な機器(例えば、目の保護具)を機器に適合した方法で洗浄・消毒
・適切な洗浄剤または消毒剤を使用(メーカーの推奨事項を参照し、洗浄剤を混合しない)
・洗浄・消毒の際には、洗浄製品の仕様で推奨されている場合には、手を保護するために不浸透性の手袋を着用
・タオル、シーツ、毛布、バスローブなどの洗濯物は、使用後に通常の洗濯石鹸で洗う
・再利用可能なガウン(白衣、ブラウス)は、必要に応じて通常の洗濯石鹸で洗う
・シフト終了時に作業服を脱ぎ捨て、袋に入れて いつもの洗濯石鹸で洗う
詳細については、オンラインでリソースを入手できます。表面の洗浄または推奨される消毒剤を使用してください。

法的義務
労働安全衛生における法的義務は、使用者と従業員の両方に対して、次のようなものがあります。労働者は、COVID-19に関して適用されなければならない。これらには以下のものが含まれます。まとめです。

雇用者
使用者は、労働者の健康、安全、身体的完全性を保護する義務があります。労働安全衛生法(Occupational Health and Safety Act: OHSA)では、使用者は以下のことを義務付けられています。
そのために必要な措置を講じなければならない(第51条)。そのためには、特に、リスクを特定し、修正し、コントロールするための方法を実施しなければならない。

COVID-19に関して、使用者は、通常実施される予防措置が常に適切であることを確認しなければならない。そうでない場合は、雇用者汚染のリスクから労働者を守るためにそれらを修正しなければならない。

また、雇用者は、COVID-19に関連するものを含め、業務に関連するリスクについても彼らに知らせなければならない。また、雇用主は彼らに適切な訓練、監督、教育を提供しなければなりません。
誰もが安全に仕事をこなすために必要なスキルと知識を身につけられるようにしています。

労働者
すべての労働者は、保護のために必要な措置を講じる義務があります。自分の健康、安全、または身体的完全性、および職場の他の人の健康、安全、または身体的完全性を危険にさらすことのないようにすること(OHSA 第 49 条)。そのためには、職場で適用される他のルールと同様に、COVID-19に関して実施されるルールと対策を遵守しなければならない。労働者は、リスクの特定と排除にも参加しなければならない。労働者が危険を見たり、提案をしたりした場合、彼または彼女は、安全衛生委員会(ある場合)、彼または彼女の監督者、または使用者の代表者に報告しなければならない。

2020年5月15日金曜日

研究室での進捗報告終了〜

研究室の3教授とのzoom会議が終了して真っ白に燃え尽き中…

未だに医学研究のフレームワークの理解が不十分なため、
統計手法などを中心にフルボッコになりつつ、
でもこれをさせてもらえる事に無常の喜びを感じる次第。

研究の仮説や実験手法を支える根拠の提示を徹底的に問い詰められて、
それが出来ないと実験などの実作業が始められない。
こんなんやってみましたというわけには全く行かない。

まだもちろん穴だらけの論理構築で、故にフルボッコになったのだけど、
この2ヶ月で読んだ100を超える論文は随分と自分を強くしてくれた気がする。
以前より教授達の質問に答えられるようになり、
一部のアイデアは興味深いと言ってもらえたり。

整体の道に入った時は、筋膜が肥厚することも、
ヒアルロン酸が潤滑剤であるだけでなく、
粘って動きを悪くする理由にもなることすら知らなかったもんなぁ…

この研究室に入ることになった時、
”博士を取るなら、君はその分野を世界で一番知っている人間になり、
 かつそこで技術的な革新を起こさなければならない”
と言われたのを思い出す。

博士への登山道の、登山口くらいにはたっただろうか。
登山靴のヒモの締め方がまだ甘いと言われつつも。

2020年5月2日土曜日

陰謀論は楽しいけど、トランプ支持になっちゃうよ…?

コロナウイルスは影の権力が仕掛けた嘘で、ワクチンは必要ないし、ビタミンD飲めばかからない、ってビデオが和訳までされてシェアされてますが…

1.医学研究は計画の段階からその研究手法の細部に至るまで厳しく審査されて行われ、得られた結果も、その研究手法に応じて信頼度が評価されます。この人はビタミンの仕組みは知っているかもしれないけど、患者を使った研究すらしていない。そういう意味で信頼度は0です。医学が分かっている専門家とは思わない方が良いです。

2.トランプなんかも次々にあれはどうだ、これは利くんじゃないか、なんて発言しちゃってますが、たとえ数例に効果があったとしても、みんなに利くかわからないし、何よりもそれで副作用や害があったら大変なんです。医学研究はその部分をとても大切にしているから、この人の様にたった一つの知識で検証もしていないものを軽々と勧めたりしません。ビタミンが内皮細胞機能を健全にしてくれるって一般的な知識は良いとして、それがコロナとどう関係するか、まだ世界の誰も知りません。一方で、ビタミンの過剰摂取で何が起こるのかも調べてみて下さい。それはそれで危険です。

3.こんな症例があったよ、という一番信頼度の低い発表から、様々な治療結果を比較するような研究、更に複数の研究結果を比較する研究など、信頼度を十分に高めた結果が各医学会や公的機関などで診断や治療のガイドラインとして決められていくものに繋がります。なので、影の権力がこのガイドラインを決めて医者たちを支配してる、って言われると、じゃぁ我々(私は医者じゃないですが研究者の端くれです)のこの日々の地道な研究努力は全否定なの?って思います。勘弁して下さい。

話の中に少し科学が入り込むこういう人が一番やっかいだと思ってます。私も以前勘違いしていましたが、物理化学の知識があったとしても、医学研究を理解したことにはならないのです。それは人々への安全性を確保するために、上記の様に信頼性を高めていく医学研究の複雑な構造があるからですが、それも人々の命に対して嘘や間違いが無い様に細心の注意を払っているからです。見るからにこの人はそれを分かっていないです。

そして、この人が煽る反ワクチン、ロックダウン解除はオルトライトの最右翼と繋がってトランプ支持になるのですが、それで良いんですか?
もしみんな"アメリカ版武田邦彦だ〜"とかネタとして笑って見てるのだったら、マジレスしてごめんなさい。

2020年2月14日金曜日

誰も話さない勉強会…?


先日不思議な勉強会に参加してきました。
最近はモントリオール大大学病院の研究室(CRCHUM)に通う毎日なのですが、
その同じフロアにいる博士学生達が声かけあって、勉強会やろう、
というので参加してみたんです。

しかし不思議なのは、
"じゃぁ今から25分間各自自分のタスクを決めて作業をして下さい"
そう言われた後は、各自黙々と作業。
時間が来るとチン!とタイマーが鳴って、5分休憩しま〜す。

その繰り返し…

誰かが誰かにアドバイスしたりとか、そういうのが一切無いのです。
不思議…

後で聞いてみると、それはポモドーロ・テクニックという、
集中して作業するための方法なのだとか。
それを皆で実践してみよう、という集まりだったのです。

イタリアの学生が集中力にかける事に悩んで、
ふと台所に会ったトマトの形のキッチンタイマーで時間を区切りながら作業したら、
あら不思議、すごく集中できて作業効率上がっちゃったなんて話。
そこからイタリア語でトマトを意味するポモドーロ・テクニックという名前がついたとか。
丁度飽きてしまいそうなルーチンワークの統計作業があったのですが、
この勉強会の中で一つ終えることが出来てしまいました!
脳みその疲れというのは、飽きる事なんだとか。
面白い方法を知ることが出来たのと、
そして学生同士ですらこうして研究のためのより良いアイデアを持ち寄って協力し合う姿に
とても嬉しくなったのでした。