2017年8月12日土曜日

全てのGagnonはTourouvreに通ず





日本で2番目に多い苗字って何でしょう?
2017年4月の政府統計によると、どうやらそれは"鈴木さん"なんですね。
1位は佐藤さん。歌で流行ったよくある苗字斎藤さんは19位なのか…

ケベック州では、2016年の統計によると、1位はTremblay、
そして2位が妻の苗字のGagnonなんです。
妻の苗字は8位のLavoieと組み合わせたものになってるので、
日本なら中村鈴木みたいな感じ。

そして、驚くべきは、ケベックの全てのGagnonさんは、
1640年にフランスから移民して来た3兄弟の子孫という事が分かっており、
フランスはノルマンディ地方のTourouvreにその家が今でも残っている、
という事なんです。
ケベックの植民にはカトリック系教会が深く関わっており、
移民者達の名簿は教会の記録で、親子関係からフランスの出身地まで、
基本的には皆分かるのだそうです。
知ってびっくりカナダの歴史。

はっきりした旅行計画の中にはなかったのですが、
移動経路の中にある事がわかったので是非立ち寄ることに。
Tourouvreの村はずれ、La Gagnonnièreというところにその家は建っていました。

1600年代からそこに建っていた、って事です。
ケベックを開拓した妻のご先祖さんがそこに本当に住んでたんです。
よくあるタイムスリップ系の時代劇ドラマみたいに、
その歴史のリアルさになんだかクラクラしてしまいました。
家から出てこられた今お住いの方は、開口一番"ガニオンさんかい?"と。
カナダから訪れる人も時々いるらしく、建物のことなど気さくに教えてくれました。
その方はGagnonの子孫ではなく、
というのはGagnonという苗字はフランスではもう絶えてしまっているからです。

1534年以来、フランスは北米への入植のため度々開拓団を送るのですが、
当初はサバイバルや森林の知識のある人が選んで送られ、
その後も牧場や農場開拓に長けかつタフな人達が送られた様です。
だから妻の家族はスポーツ万能な人が多いのかも?

ケベック入植の歴史は読めば読むほど興味深くて、
Gagnon3兄弟がケベックに渡った1640年当時、
イロコイ族がオランダから銃器を得て他民族も滅ぼし、
入植者も抵抗出来ない程勢力があった話や、
ケベックからの毛皮輸出産業って要するにはビーバーの毛皮だったことなど、
弓矢だけで弱いインディアンや熊の毛皮みたいな、無知な私のステレオタイプが
見事に次々と駆逐されていきました。

今回旅したロワール川流域のルネサンスの歴史に出てくる
1400年代のフランス王達はこうしたケベック入植への支援を積極的に行うのですが、
そんなお話はロワール川の古城の写真を眺めながらすることにしましょう。

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