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2018年1月22日月曜日

森の恵みを食すこと

昨夜はちょっと特別な晩餐会でした。
何が特別かといえば、"自分が仕留めた鳥を初めて食べた日"だったからです。
昨秋、家族に誘われて、Lac Saint Jean近くにある保護区まで初めての猟に行きました
その辺の様子はこの記事をご覧頂ければと思いますが、
その時に仕留めた鳥を持ち寄って、皆で食べよう、という新年会だったのです。

こちらがTétras(テトラ)、雷鳥の種類です。

そしてこちらがPerdrix(ペルドリ)、ヤマウズラの種類です。

そしてなんと、メンバーのひとりが高級ホテルのシェフだという...
自宅で、森の恵みを最高級シェフに調理してもらって食べるとは何と贅沢な...

彼はテトラを使って、Pâté en croûte(パテ・アン・クルート)、
肉パテのパイ包み焼きを作ってきました。
外見も美しいのですが、


切り分けられたその中身に驚き。


真ん中の赤い層がテトラの胸肉です。
このPâté en croûteは世界選手権があるそうで、
2017年度は日本人の方が優勝したそうです。
その方は2016年は2位だったのが、今年は1位になったのだとか。
って、記事をよく見たら受賞者のうち3人も日本人じゃないですか!
さすが造り込みの得意な日本人的ジャンル...


そして、このPâté en croûteはあくまで前菜ということで、
こちらがメインディッシュ。赤身がテトラ、白身がペルドリです。
どちらの鳥もターキーに似て身にそう旨味はないのですが、
焼き加減、そしてソース共に口の中でふんわりと。
もう、筆舌に尽くしがたいとはこのことでした。


感動的なのは、ちゃんとデザートまで用意されてたこと。
大好物のレモンパイ。



日本の都市部で育った人間としては、
これほど自然が身近にあって、その恵みを自ら得る経験をして、
それを家族や仲間で楽しく豊かに食べる、というのは、
本来普通のことなのでしょうけど、とても得難く思えて感動的でした。
かなり濃いケベックを体験している気がします。
あぁ、ほんとにお腹パンパン。

2017年11月15日水曜日

モントリオールBulletin11月号-季節の変わり目と冷えと耳の話

モントリオールの日系紙、Bulletinの11月号に掲載された原稿です。
ケアの仕方がご参考になれば。


10/14,15の週末に、妻の親族に誘われ、
Lac Saint-Jeanより北にある自然保護区、
Réserve Faunique Ashuapmushuanに行って来ました。目的は鳥の狩猟です。
私はもちろん銃のライセンスなど無いのですが、
一生の間に一度だけ、ライセンス保有者に同行して狩猟する許可、
Permis d’initiation à la chasseというものがあり、
それを取得し鳥撃ちを体験して来ました。

狩は一日中出来るのですが、やはり早朝が良いらしく、早起きして狩に。
調子抜けしたのは、森の中を歩いて狩猟するのではなく、
保護区の中に張り巡らされた車道をひたすら車で走り、
道に飛び出している鳥を見つけては車から降りて近づき、撃つ、という事でした。
自分の気配を消す必要もなければ、散弾銃を使うので射撃の腕前もほぼ必要なし。

なぜそれほど簡単なのかといえば、
対象としている鳥が雷鳥やヤマウズラの類で警戒心が非常に弱く、
静かに近づけば逃げないのです。
そしておそらく消化のため、道の砂利を食べに出てくるので、
車で流していると、あ、あそこにいる、と行った具合に簡単に見つかるのです。
2日間で3人で合計15羽の収穫となりました。
ケベックでは狩猟数の上限は厳しく管理されているそうで、
この地域での鳥の狩猟は1人1日15羽まで。
狩猟後管理小屋に自己申告に行くのですが、
もし上限を守らなかったことが分かった場合は、
裁判なしで全財産没収の憂き目にあうのだとか。

今年はいつまでも暖かなため、
ツンドラの苔がまだ枯れずに生き生きとしており、
そのせいでそれを食べるクマもまだ冬眠せずにうろついていました。
ワイルドブルーベリーも通常9月中頃に終わるものがまだあちこちで見られた程です。

さて、季節はいつまでも暖かなままなのですが、
我々の身体は季節を少し先取りする様に変化していきます。
夏に放熱しやすい様に緩んでいた身体は、
次第に引き締まり、逆に熱を保持しやすい様になります。
その変化がスムーズにいかないと、身体は風邪をひいて熱を出し、
強張りを緩めて変化を促そうとします。
風邪をひいたときはしっかり汗をかいて、その汗は冷やさない様にして下さい。
早く経過し、身体が季節に適応します。

こうした季節の変化の時期は寝具や衣類の調整がタイミング合わず、
冷えが身体に影響することも多いです。
特に肘や膝の冷えは首肩や腰の強張りに繋がりますので、
ただ暫く手を当てているだけで結構です、
手の温かさを感じながら、肘の内側、膝裏を温めてあげて下さい。

耳を緩めることで、頭部、頸部まで緩める方法もあります。
耳は周囲の緊張全てを束ねていて、意外と縮んでいます。
図の青い線の様に、耳の上部を上へ、真ん中を横へ、
下部を下へゆっくりと引き伸ばします。
急に強く引っ張ると逆に硬くなるので、無理には引っ張らず、ゆっくりのんびりと。
少し捻りながら引っ張るのも効果的です。じんわりと耳が暖かくなってきます。
耳たぶを軽く弾いてみると、プルプルと柔らかくなっている事でしょう。
耳の穴の前にある突起、耳珠(じじゅ)も硬く引き締まっていますので、
つまんでゆっくりひねります。同じく軽く弾いてみると硬さの変化が分かります。
柔らかくなった耳のプルプル感を楽しみつつ、身体を季節に合わせて行けます様に。