2020年7月30日木曜日

ガスペジ旅行-その4鮭

宿泊していたMadeleine近辺は鮭が遡上する川がいくつもあり、
鮭の釣り場もいくつもあるそうです。
Madeleine川には途中大きな滝があり、
そこには鮭が川を登れる様に迂回路が作ってある、
と言うので見に行ってきました、Passe migratoire du grand sault
ここへ行くには、Rivière-la-Madelaineの街から国道132号を
ちょっと上がったところから看板にしたがって脇道に入るのですが、
その脇道が崖すれすれの凸凹山道で、4WD必須です。
本来バギーやスキードゥ用の道で、軽自動車やセダンでは自殺行為です。
そんな道を9kmも行かなければなりません。

しかし到着した先にはまた素晴らしい滝の風景が待っていました。

滝の手前に階段状の迂回路が作ってあり、そこを鮭が上っていくのです。
その光景は見られませんが、最後一番高いところのいけすに泳ぐ鮭が見られました。
10年も働いているという管理人のおじいさんが、
30分おきに鮭の数をホワイトボードに書き換えている様子が。























分かりにくいですが、左上の橋桁の影の近くにある黒い縦長の影が鮭です。





















7月は1187匹上がってきたと書いてあります。すごい数ですね。

いつか釣ってみたいなぁと思いつつ、食欲の方を先に刺激されて、
夕飯はサーモン色のシャツ着てサーモン色のロゼワインを飲みつつ、
サーモンクリームパスタでした!


ガスペジ旅行-その3大陸の果て

Gaspésieというのは地域の名前ですが、ガスペ半島でもあり、
ガスペという名称は先住民であるミクマク族の
この半島は北米大陸東側のアパラチア山脈の北端でもあって、
崖や切り立った岩肌も有名なのです。

道中、海沿いはどこも切り立った崖が続いてます。
こんな景色がずっと続いているのです。
この地を形成した3つのプレートテクトニクスの話などを読むと萌えます。

運転中&景色が壮大すぎてうまく写真が取れなかったのですが、
Saint-Anne-des-Mont周辺では道沿いに壮大な崖と地層が見られます。

特徴は薄い堆積層の重なる様子で、どこの景色でもそれが確認できましたし、

あぁ、それが剥がれて出来たかけらが流れで洗われるとこうなるんだな、
という様な平べったい石が海岸では見られました。
港によって様々な色があってワクワクします。





















本当はGaspéの街の先にあるPercéが大陸の端であるのですが遠い…
ので、もう一つの崖の名所であるForillon国立公園に行きました。
見上げるばかりのこの崖の上にぐるりと7km程のお散歩道があるんです。

































上りはなかなかに凄いですが距離はそれほどではないので、
とにかく展望台まで頑張って、後は左回りになだらかな上下を愉しめば良いと思います。
登山道ほど危険はありませんが、スニーカーなど一応歩ける靴をお勧めします。
上りへの途中にある階段。ここまでと、この後の展望台までがなかなかに汗だく。

































しかし高さにおっかなびっくりの展望台の上からこの景色を見れば、
世界の広さに心が晴れ渡るでしょう!






















戻った公園入口の駐車場近くには、別の展望エリアもあります。

ペンギンが見られるときもあるそうです。


海岸に降りることも出来ます。遊泳は禁止のようですが。
波に現れるところとそうでないところで明確に石の大きさが違うのが興味深い。





















平べったくて、現代アートの様な石。
夏のガスペジ旅行の思い出です。

ガスペジ旅行-その2海を味わう

Saint-Jean-Port-Joliから車を走らせて5時間半。
Madeleine岬灯台近くの宿に到着。

この岬はMadeleine川の河口でもあり、そこが洲になって海岸になってました。
車で洲の先端まで行けるので降りていってひと泳ぎ。

満潮時には先端が水没する砂浜ですが水も暖かくじゃぶじゃぶ歩いて楽しかったです。




愛犬は見たこと無い様なはしゃぎ方をしておりました…

夕方は漁師小屋的な名前のレストラン、La Capitainerieへ。
ちなみにこの辺にはこのお店ともう一件くらいしかレストランがありません。
隣の街まではどちらも20-30km

漁師おまかせ2人前を頼んだら、すんごいのが出てきました。
オマール、鮭、ムール貝、タラの豪華盛り!


空と海と夏を全身に浴びた様な体験でした。

ガスペジ旅行-その1オマール海老

一週間のお休みを取って、ガスペジに行ってきました。
正確には、ガスペ半島北側のLa Haute Gaspésie郡、
Madeleine岬灯台付近に部屋を借りて拠点とし、あちこち行ってきました。

モントリオールからMadeleineまでは800km超。
ナビでは少なくとも8時間半かかると。
実際現地の国道132号線の距離表示はMadeleine付近で1000kmを超えてました。
(国道132号線の西の起点はモントリオールの100kmほど西、NY国境近くなんですね)
モントリオールからは高速20号と国道132号経由で行くのですが、
なにせ高速20号がSainte-Flavieの街付近で終わるので、
後はひたすら国道132号を辿ります。
小田原から熱海までのビーチラインを車を走らせたことある方、
あんな様子が230kmも続くと思って下さい(例えがローカル過ぎ)。
湾のあるところに街があり、町ごとに教会があり。
街と街の間は90km/h、街の中は50km/hの速度制限の繰り返し。
海と空と、崖と広大な畑と…カナダのデカさを体感してきました。
なんたって、その1000kmがケベックのほんの一部なんですから。

もちろん一気に現地まで行けるわけもなく、
途中でまず立ち寄ったのは、Saint-Jean-Port-Joli
ケベック市のもう少し先といったところです。
ここは、世界で一番美味しいオマール海老料理を出すという、
La Queue de homardがあるんです。(オマール海老のしっぽの意味)
美味しさの秘訣は、茹でるのでなく、高温スチームで短時間で仕上げるから
旨味が逃げずかつ身がすごくジューシーだと言うのです。
それを味わうがために、この街に一泊したのでした。

ちょっとカントリー風なお店、ワインは持参するお店です。

受付のカウンターは仕掛け籠で出来てました!店の内外にもこの籠が山積み。

海を感じさせる店内装飾

そして水槽とキッチンエリア。本来自分が食べるエビをここで選ぶシステムなのですが、
COVID対策のため近づけない仕組みに。

メニューです〜

そして、これがその世界一美味しいオマール!
店員さんが、今年のは特に美味しいよ、と。
これでも小さい方なんだそうです。
身が、本当にジューシーでふわふわ〜極上の体験でした!







2020年7月7日火曜日

整体 夏の季節を胸いっぱいに吸うために - 横隔膜の硬さと肩甲骨周りの緩め -

モントリオールの日系紙、Bulletinの2020年6月号に掲載された原稿です。


緑の芝生にたんぽぽの黄色が映え、そこにニレや楓などが葉を広げ、黄緑の花芽を一面に落として…目にも楽しい季節がやって来ました。上を仰げば、ポプラなどの背の高い木々は、漸く広げ始めた赤い葉に葉緑素の緑が徐々に行き渡っている様子。ギーというキツツキ系の鳥の鳴き声とともに木を突く音も響き渡ります。あぁ、本当に季節は変わりましたね。朝5時過ぎから夜8時過ぎまで明るい夏の季節の始まりです。はい、モントリオールでは春は気づかないうちに行っちゃうんです。もう夏です。

 

タイミングを合わせた様に、ケベックも社会再起動の道筋が見えてきて嬉しい限りです。我々も広がる緑の様に思い切り気持ちを開放させたいものです。

 

ロックダウンの2ヶ月。我々の身体にはどんな事が起こっていたでしょうか。眉をひそめて読む暗いニュースに胸が塞がり、足は地につかず手に汗握り、先行きの不安に肩をすぼめながら、固唾を飲んで政府発表を聞いていた…皆不安に関わる日本の身体言葉ですが、昔の人達がこうして言葉にしてくれたとおり、我々の身体は様々な感情に対して反応している様なのです。

 

今回取り上げたいのは、特に胸の塞がりとすぼんだ肩です。胸の塞がりは胸骨回りや横隔膜の緊張、すぼんだ肩は肩甲骨回りの可動性低下と言い換えてやることが出来そうなので…要するにそれじゃ呼吸が浅くなっちゃってるから、思いっきり息しましょうよ!気持ち良い季節に向けて!という事なんです。

 


横隔膜は我々がちょっと考え事をしたときですら、真っ先に緊張する、最も反応の早い部位です。しかしその分緊張しっぱなしという事が起こってしまいます。みぞおちを揉んで解すというわけにも行かないので、頭を緩めることで腹部を緩める方法をご紹介します。本来腹が立って(腹直筋が硬直して)気が立った時に、頭に角が生える(前頭部の一部が怒張して隆起する)。それを鎮める方法なのですが、これを行うことで腹部の緊張が緩みます。不思議ですよね。お腹と前頭部の緊張が繋がっているのです。

 

やり方は、まず掌をよくすり合わせて手を温めましょう。そして、少し手を離してみて、両手の間に少しほわんと温かさを感じられたら、OKです。イマイチの場合は、そのまま目をつぶってゆっくりとした呼吸をしながら、その呼吸が掌から出入りしている事をしばらくイメージしてみて下さい。もっと本格的なやり方を知りたい方は野口整体の合掌行気法というキーワードで調べてみて下さい。

 

ほんわかと温かい手を前頭部に当てるのですが、場所はちょうどカチューシャをするライン上、両目から上がっていってそのラインとぶつかったあたりに、わずかな凹みがあります。そこに左右それぞれ掌を当て、暫くその掌の暖かさを楽しみましょう。そのまま掌から呼吸が出入りしている感じを続けます。ズンズンと掌に当たる拍動が次第に穏やかになり、腹部の硬さが取れてきて、お腹に息が入れやすくなります。手を当てている時はあまり考え事をしないのが理想ですが、この2ヶ月、よく頑張ったなぁとじんわり感じるのも良いのではないかと思います。この時に出てくるあくびや涙、身震いなどは身体が緩んできたサインです。抑えずにいくらでも出して下さい。


肩甲骨は積極的に動かして行きましょう。肩甲骨を意識して動かすのはなかなか大変ですが、両手を上げて空に人差し指で皿回しの様に円を描いてみて下さい。この画では外回しになってますが内回しでも構いません。最初は指先が空に円を描いている意識で20回、次に、動作は同じなのですが、手首で描いている意識、肘で描いている意識、肩で描いている意識、という様に段々意識を下げながら20回ずつ、最後に肩甲骨で描いている意識で20回です。こうして意識を指先から肩甲骨まで下げていくと、動作は同じなのですが、肩や肩甲骨周りがより動かせる様になります。最後の肩甲骨で描いているときは結構大変で大汗が出てきます。始めは肩甲骨と肋骨がぶつかってゴリゴリ鳴りますが、回しているうちにその音が減ってきます。

 

もっと胸周りをすっかり緩めたい方は、こちらのビデオをご参考になさって下さい。

https://youtu.be/osq2HpudlkE

疲れ目のセルフケア

モントリオールの日系紙、Bulletinの2020年7,8月号に掲載された原稿です。

モンロワヤル通りが歩行者天国になって、久しぶりにバーのバルコニー席で一杯やって来ました。あぁ、ケベックは森の中の静けさも素敵なのですが、こうした人の賑わいというのも人間には必要なんだよねと妻とほっと一息。今年のバルコニー席はどの店もスペースが大きめで、テーブルの間隔も大きく、メニューはテーブルのバーコードを自分の携帯で読み取るようになっていたりして、なるほど、接触を減らすために知恵を絞ってるなと思いました。

通りの先に見えるロワヤル山。なんだか久しぶりにこんな遠くを見た気がします。日々のニュースを追いかけ、外出出来ない分映画やYoutubeを眺め、この3ヶ月、どれほど我々の視界と意識はこの近距離の小さな画面の中に囚われていたことでしょう。これからの気持ち良い季節に、目の使いすぎで疲れた頭と首肩回りを開放して、思い切り夏を楽しみたいものです。

まず、目の疲れは直ぐに後頭部の緊張に繋がります。ですので、まず後頭部を緩めましょう。まず眉毛を大きく上下に動かしてみて下さい。後頭部や頭皮に緊張のない人は眉毛の動きで後頭部の頭皮まで動きます。しかし皆少なからずつっかかりを感じるものです。確認後、後頭部を手の爪でバリバリとよく引っ掻いて、その後に後頭部の頭皮に掌を当てて、色々な方向にしっかり動かします。頭皮の動きの悪いところほどよく引っ掻いて、その後頭皮をしっかり動かしてあげて下さい。もう一度眉毛を大きく動かしてみると、後頭部と頭皮全体が緩んだかどうかが分かります。
次に目を左右に限界まで動かしてみましょう。例えば右を思い切り見ると左耳がピクッと動きませんか?どうも目の動きと耳は繋がっていて、側頭部の緊張にも繋がっている様なのです。側頭部が緊張すると、耳は縮んで全体的に固くなります。これを緩めるにはゆっくり引っ張れば良いのですが、強い力でぎゅうぎゅう引っ張ると逆に反射で固くなってしまうのが注意点です。ゆっくりとした動作で、腕の力も抜きながらひっぱりましょう。耳の上の方は斜め上の方に、真ん中あたりは横の方に、下の方は斜め下の方に。少しねじりながら引っ張ると効果的です。もう一つ、耳の前にある三角の突起、これを耳珠(じじゅ)と言いますが、これも指で摘んでゆっくりひねります。これらの結果、耳輪と呼ばれる耳の外周全部がプルプルに柔らかくなって、耳全体がじわっと暖かくなればOKです。これで側頭部もある程度緩んだことになります。
眼窩と呼ばれる頭蓋骨の目のくぼみ、その内側から目の縁、そして外側までどうやら筋膜は続いている様で、目を使う疲れは目の周囲に現れている様子です。まず、目を八の字に動かしてみて、動きにくい動作部分を確認してみましょう。その後、眼窩の骨際に沿ってその周囲をゆっくり押していきます。目玉を押してしまわない様に、骨のエッジを探しながらゆっくりと。目の真下にある頬骨の出っ張りのあたりもゆっくり押します。一通り出来たら、また目を八の字に動かして、目の動きが楽になったか確認してみて下さい。

目への負担を減らすには、PCや携帯画面の明るさを時間によって調整するのも効果的です。太陽の光は午前中から昼には白色光が強くなり、夕方には赤い光の成分が増して行きます。これが我々の自律神経のサイクルに関係している様なのですが、夜になっても青や白の強い光を含む画面を見つめていると、目も疲れるしなかなか神経が休まりません。PCや携帯画面の明るさは夕方以降は弱めに設定しましょう。画面の明るさは部屋の環境光と同じ程度が目に負担が少ないとされています。最近のノートPCは画面の明るさを自動調節してくれるものが多いですが、もしそうした機能がない場合、フリーウェアを使って調整するのも手です。https://justgetflux.com/ 私はエクセルやワードなどの長時間作業のときはセルや紙面の背景色を白から灰色に変えて作業します。これも画面の明るさを減らす工夫です。文字の大きさを大きめにしたり、表示を拡大するのも目の負担を減らすのに良いでしょう。

いよいよケベック州も各種制限が解除されて、また色々な行動が出来るようになりました。凝り固まった身体をケアすることで心も一息ついて、ケベックの素晴らしい夏を楽しみましょう!