2018年11月4日日曜日

人生を紡ぐ糸

以前、ある方に、
"すみません、お話を聞かせて下さい"
と依頼したら、快く受けて下さった上で、
"自分は多くの人に同じ様に話を聞かせてもらい、
様々なアドバイスを得て、引き上げてもらってきた。
だからこうして次の人に還して行きたいんだ"
とおっしゃった。

そして、70を過ぎたその方は、
"自分の年齢になると、
人に会う機会を逃してしまうことが恐ろしい"
と。

その方は私がお話しした僅かな事すら覚えていて下さって、
会う度に、"あの時の話だけどね"、
とそこから発想した次なる世界を話して下さる。

今日お会いした方は、
"金沢に来るとすごく面白い人に沢山出会えて、
自分が考え続ける為の刺激になる。
日本に帰って来るなら、金沢に帰ってきたい"
と。

人の出会いというものは素晴らしい。
その時、その場に自分を動かしていかなければ出会えない。

自分の人生という物語を紡ぎ続ける為、
新しい糸を絶やすわけにはいかない。
互いが互いをその糸として、
一本一本、異なる糸を紡いでいく。

誰かと比べてみてもしかたない。
もともと紡いでいるものが違うのだから。
ひとつとして同じものはないのだから。

欲張りな自分は、
しっちゃかめっちゃかな色になるかもしれないけど、
全く異なる糸を組み合わせてみたい。
なぜなら特許の分野で働いた親父は、
"新しい発明をするのは、その分野で長くやった人ではない、
違う分野から違う考え方をその分野に投げ込んだ人なんだ"
なんて言っていたものだから。

材質も色も染め具合も異なる様々な糸が行き交う。
金沢に来て、本当に良かった。