2018年4月29日日曜日

四十肩は脇腹の硬さとつながっている...?

最近四十肩の方が多くいらっしゃって、気づいた事があったので図にしてみました。
今更そんなことに気づいたのか!ってツッコミを多く頂きたいと思います。
四十肩では三角筋の固さや突っかかりが顕著ですが、
私はむしろ下図の様な脇の下の後ろ寄りの固さがいつも気になっています。
肩甲骨の外側縁に沿った手指くらいの太さの硬い筋で、
これが突っかかって腕が上げられない。
つまり肩関節というより、脇の下の問題だと思っています。


そしてこの固さは肩甲骨の肋骨側に潜り込んでもいるので、
肩甲下筋に関わる緊張だとみていますが、
普通の指圧やマッサージではなかなかそこは揉めないわけです。
無理に指を差し入れて押そうもんならもちろん激痛です。
西荻窪の治し家の角谷さんは深い鍼で上手にそこを直接緩めてくれますが。


徒手では下図の様な緊張の繋がりを意識して、
人差し指や親指を緩めたり、脇腹の肋骨沿いを緩めて、
この脇の下の緊張を緩めようとするのですがあまり結果は芳しくなく。


肩甲骨周りの緊張だから、ということで、菱形筋に関わる方向から背骨の際を緩めたり、
肩甲骨外側縁から側腹や腰椎に向けて降りていく緊張を捉えて、
肋骨上や腰椎の骨側を緩めたりするのですが、
やはり腕が上がるようにならない。
これらは皆あくまで肋骨の外の緊張を追いかけていたことになります。


そこで今回気づいたのが、側腹の中にあるかなり太い硬い筋です。
下図の様にかなり側腹の深いところにぶりっとした太いのが頑張ってます。
おそらく腰腸肋筋であると思っています。
これを側腹の皮膚、脂肪ごと捕まえて側方にしっかりと引っ張り出して緩めたところ、
一気に脇の下の固さが取れて肩が動くようになってきました。
しかしこの硬い筋は肋骨の内側に潜っていくので、
これを緩めることでなぜ肋骨より外にある肩甲下筋周りが緩むのか、繋がりは謎です。


脇の下が緩んだので、改めて三角筋周りの固さを取ることにしたのですが、
これも図の様な緊張の繋がりからは、側頭部や人差し指を緩めることになるのですが、
やはりそれだけでは緩んでくれず。


仰向けで肩をしっかりベッドにつけようとすると、
どうも反対側が突っかかった様な引っ張りを感じたので、
反対側の側腹も確認してみると、同様に硬い筋が。
これを緩めたところ、やはり三角筋の固さも緩んできました。
これも図に書いた緑の線のような緊張の繋がりを感じたからやってみたまでで、
その具体的繋がりは同じく謎です。


こうした側腹の深い部分の緊張は、
ITバンドや太ももの外側の緊張での膝の痛みなどにも奏功しています。
野口整体などで側腹をしっかり伸ばせ、なんていうのを改めてハハァと思うのですが、
しかし、そもそもどうしてそれが生まれ、
どう肩甲骨下に影響しているのか、まだまだ私は勉強不足です。
皆さんのご助言を頂ければ幸いです。

2018年4月2日月曜日

モントリオールBulletin3,4月号-冬の楽しみ方と、指の緩め方

モントリオールの日系紙、Bulletinの3,4月号に掲載された原稿です。
ケアの仕方がご参考になれば。


  モントリオールって寒いんでしょ?と聞いてくる友人には、"そうだね、冬は平均的にマイナス10数度くらいで、マイナス20度以下になることも結構あるよ"と話します。相手の驚く反応を楽しみつつ、もう一言。"雪が降るのは9月末から5月頭まで。その間冬なんだ"と。ゲッ!と仰け反る友人達の反応がたまりません。
 
でも、油断すると鋭い質問が返ってきたりします。"そんなに長く寒さに閉じ込められてて、何すんの?"と。いやいや、別に閉じ込められたりしてないし。東京みたいにちょっとの雪で都市機能が止まったりしないから。でも、まともに答えるのもつまらないので、"いや、すっごいゲーム文化があるんだよ!"なんて最近は答えてます。

実際のところ、妻の家族や友人達は皆、あらゆるゲームの達人です。誰の家に行っても各種ボードゲームがいくつも積み上げられているし、テーブルサッカーやビリヤードテーブルがあったり、ダーツセットがあるのも自然な光景です。トランプゲームだけでもいったい何種類知ってることか。人が集まるたびそうした輪に加わるので、私も自然に幾つものゲームを覚えてしまいました。

カードゲームやボードゲームは、大抵基本は4 人で遊べる様に出来ていて、追加のセットを買うとさらに複雑さが増したり、6 人まで遊べるようにデザインされています。例えば私の家族が大好きなCitadels というカードゲームでは、プレーヤーは王様や魔術師など中世のキャラクターになって、自分の支配する街を作っていくのですが、追加のカードを加えると選べるキャラクターや複雑さが増して、ゲームがよりエキサイティングになるのです。


こうした駆け引きの必要な頭脳戦だけでなく、ダーツやおはじきの様な、微妙な力加減やコントロールの必要なゲームも彼らは得意です。Pichenotte(ピシュノット)というゲームは、四隅に穴の空いた四角いテーブルの上で、2対2で戦うおはじきゲームなのですが、これまた皆上手!私は弾くのが強すぎたり、とんでもない方向に飛んだり、たった僅かな指先の事なのになかなか難しくて、気づくと指に力を入れすぎて後で指がつりそうになったり散々です。

指といえば、首や肩が痛い人は、その緊張が腕を降りて、指まで硬くなっている事が多いです。PC やスマホの操作で同じ形を長時間保持して、すっかりこわばってしまうということもあります。力を抜けないし、素直に伸びなくなってしまっています。その固さが循環を悪くして、皮膚が相当荒れているケースも見かけます。

それぞれの指先を軽く捻ってみて下さい。楽に捻れる様なら良し、全く動かず、かなり抵抗がある様なら、相当指が緊張しています。

このページの最初の図の様に、指の皮膚をらせん状に撫でてみて下さい。親指は自分の方に、人差し指は向こうに向かって。こうして暫く繰り返し皮膚を撫でているうちに、合谷(ごうこく)と呼ばれるツボのあたりが段々開いてくる事で、 親指と人差し指周りの緊張が緩んでくるのです。合谷が緩むと、肘の内側、脇、胸元や首側面まで繋がる緊張が減ります。

私がこのケアをやっているのを見かけた方は、あぁ、沢山のクライアントのケア後に指のケアをしてるんだな、と思って下さい。決してPichenotte のやりすぎではありません!